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富塚を柱に「強打の三高」復活か!? 日大三、本塁打3本、27点の圧勝で都大会に進出

日大三藤巻一洸ランニングHRで生還

 9月4日に始まった秋季都大会の1次予選も、いよいよ最終日。夏に戻ったような暑さの中で、試合が行われた。日大三と豊島学院の一戦で、まず気になるのが、日大三の新チームのカラーだ。前の代は、「強打の三高」というよりも、1番・星 憂芽、2番・齋藤 広空を中心に、少ないチャンスを物にして勝つ、試合巧者ぶりが目立つチームだった。それはそれで、伝統校の懐の深さを示すものであったが、「強打の三高」を期待する人も多い。

「(前のチームで中心だった)星や齊藤は、クリーンアップを打つタイプではありませんでした。今回は富塚が柱になります」と日大三の小倉 全由監督は言う。富塚 隼介は、夏の大会でサイクル安打を達成した長距離打者。4番の浅倉 大聖も長打力があり、この2人が並ぶ3番、4番は迫力がある。

 対する豊島学院は背番号11の1年生・赤坂 大輝を先発のマウンドに送った。佐久間 一樹監督が、「はまってくれれば」と期待した起用であったが、1回表、日大三は1番の大川 智矢が右前安打出塁すると、3四死球に暴投などが重なり、いきなり4点を献上する。

 2回表は、四球と2失策の後、3番・富塚が左中間を破る三塁打を放つと、日大三の猛打爆発が始まる。9番打者で先発投手でもある矢後 和也の二塁打や、2番・藤巻 一洸のランニング本塁打も飛び出し、この回一挙に10点を挙げた。3回表は、この回先頭の4番・浅倉のライト柵越えの本塁打の後、四球や失策が重なりこの回6点を挙げた。

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 4回表も1番・大川や3番・富塚の二塁打などで4点。5回表には、代打・金澤 海斗の3ランで3点が入った。小倉監督は「長打力がある」と期待する金澤は、沖縄出身の選手だ。

 日大三の先発・矢後は球威があり、3回を無安打無失点に抑える。しかし四死球が4個もあり、これは課題だ。その一方で豊島学院は、走者が出ると、積極的に盗塁を仕掛け、1回、2回はいずれも失敗した。日大三相手に盗塁を仕掛けるのは、理屈の上からは、かなり無謀だ。それでも豊島学院の佐久間監督は、「足を絡めながらが、スタイルです」と言う。相手がどこであれ、自分たちのスタイルを貫くことは、悪いことではない。3回以降は、日大三の警戒が緩くなったこともあり、盗塁が決まり始める。しかし日大三の3人の投手から放った安打は2番・落合 颯の中前安打の1本だけだった。

 それでも豊島学院は、いくら点差が開いても積極的に攻めの姿勢は崩さなかった。「実力がない中でも、やるだけのことはやりました」と、佐久間監督は言う。日大三と戦ったことは、来年の春、夏に向けてチームを作っていくうえでも、貴重な経験であったと思う。

 力の差があったとはいえ、富塚を中心とした打線に迫力があった。都大会に向けて小倉監督は、「レベルが上がってきますから」と言う。打線の迫力は十分あるが、「強打の三高復活」と断言するのは、都大会で好投手を打ち崩してからになる。

(記事=大島 裕史)


日大三9番・矢後和也
日大三主将・寒川忠
豊島学院・井上雄太