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名門の師弟対決、中京大中京は安打数で勝るも享栄に一歩及ばず

享栄・藤本逸希君

 注目の師弟対決と言ってもいい顔合わせのカードでもある。

 全国一の甲子園勝利数と優勝回数を誇るなど、日本を代表する名門校の中京大中京。とは言え、一時的には低迷期もあった。その低迷期から1997年春に復活出場を果たし準優勝した際の主将が高橋源一郎現中京大中京監督だ。そして、その時の指揮官が大藤敏行現享栄監督である。大藤監督は2009年夏には中京大中京を全国優勝に導いている。しかし、その後は学園の事情もあって、高橋監督が就任。大藤監督は2019年から享栄に異動した。そして現在、古豪享栄を復活へ導きつつある。この夏は、強力チームとして優勝候補筆頭にも挙げられていたが、決勝で愛工大名電に敗れた。

 あと2つ勝てば、東海地区大会進出が決まり、来春のセンバツ甲子園へ一歩近づくことになるだけに大事な試合となる秋季県大会の準々決勝での対決となった。

 享栄は藤本君、中京大中京は蟹江君と両左腕の先発で始まった試合。序盤は、両投手の投げ合いという展開でテンポよく進んでいった。蟹江君は2回、3回と2つの併殺打でピンチを切り抜けていた。

 享栄は4回に、3四球と吉田君の安打などで押し出しと内野ゴロで2点を奪う。中京大中京は蟹江君から大西君と繋いで交わしていこうとしたが、大西君がもう一つ制球がまとまらなかったのも痛かった。中京大中京はその後を山田君が締めた。享栄としても、打って獲ったというよりも、何となく貰ったという形の得点だった。

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享栄の4番を任されている吉田君

 5回にも享栄は、一死二塁から、2番関君は投手ゴロで、二塁走者が挟まれてアウト。さらに、打者走者も一塁を回って二塁へ向かうところで挟まれたのだが、ここで中京大中京に、挟殺プレーでのミスが出て、打者走者の関君はそのまま本塁へ賭け抜いて、さらに1点を貰った形になった。

 何とか取り返したい中京大中京は5回裏、一死から江崎君が左中間へ三塁打。森本君が失策で生きて一死一三塁から1番西谷君が二塁へ渋い内野安打で1点返す。なおも一死一三塁という場面。二死となって、3番曽根君が強烈に右前へ打ち返して1点差とした。

 結局、試合はそのままの得点を享栄藤本君と中京大中京山田君が守り続ける形となり、結果的には享栄が1点差で逃げきった。

 中京大中京は、安打数としては9本で7本の享栄を上回っていたが、得点としては享栄が1点上回った。享栄の大藤監督は、「勝てるとしたら、こういう形かなとは思っていた。攻めも守りも、お互いにミスもあったけれども、秋の新チームだし、ミスは仕方がないところだと思う。そんな中で、藤本がよく投げたといっていいでしょう。今年春の東海大会でも少し投げたんだけれども、そこでぼろ幌にされて、そこから大きく成長した」と、この秋にかけての、藤本君の成長を大いに評価していた。

 中京大中京の高橋監督は、「粘り強く食らいついて、接戦に持ち込んでいかないといけないと思っていたので、そういう意味ではイメージしていたのに近い展開にはなった。ただ、あと一本を出し切れなかった。このあたりが次へ向けての課題と言ってもいいでしょう。投手陣に関しても、この冬で、あと1枚か2枚、しっかり投げられる投手を育てていかないといけない」と、課題を見据えていた。

(記事=手束 仁)

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中京大中京・享、試合後の挨拶
中京大中京の選手たち
マウンドに集まった享栄選手たち