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前日の反省を生かす・大島

大島・大野

 前日は延長10回で天候不良のため引き分け再試合となった。試合開始は午後3時57分で、中盤からは日没のためナイターとなった。

 先手をとったのは大島。1回裏一死一、三塁で4番・西田心太朗(2年)がサードゴロ。三走・大野 稼頭央(2年)が三本間で挟まるも、相手のエラーで先制した。更に一死一、三塁と好機が続き、5番・中優斗(2年)のレフト前タイムリーで2点目を挙げた。

 大分舞鶴は直後の2回表、果敢に重盗を仕掛けて二死二、三塁として、9番・後藤 駿太(1年)が右中間を破る2点タイムリー二塁打を放って同点に追いついた。

 大島・大野、大分舞鶴・奥本翼(2年)、どちらも連投による疲労を感じさせ、前日とは一転した点の取り合いになりそうな序盤だったが、3回以降は両エースの粘投と堅守で両者追加点が奪えず、1点を争う展開となった。

 2回以降も再三好機を作り、押し気味に試合を進めながらも勝ち越し点が奪えなかった大島だが7回裏、二死から4番・西田が左翼線二塁打を放ち、連続死球で満塁。相手のボークという思わぬ形で勝ち越し点を挙げた。

 大分舞鶴は8回二死二、三塁、9回二死一、二塁と前日と同じく同点、勝ち越しのチャンスを作ったが、大島・大野が踏ん張って1点差を守り切った。

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 カクテル光線の下、最後の打者をセカンドゴロで打ち取ると、エース大野稼は何度も両手を上げて全身で喜びを表現した。「前日の反省を生かして、打たせて取る投球ができた」と自信に満ちた表情で勝因を語った。

 前日は延長10回、186球を投げ抜いたが、勝ち切れなかった。公式戦での連投は初めて。初回は最速146キロの自慢の直球が130キロに届かず、制球も不安定で、明らかに前日の疲労を感じさせた。

 多難が予想されたが「8割の力で、守備を信じて打たせてとる」投球に切り替えた。100キロを切るカーブ、110キロ前後のスライダー、勝負球に使えるようになったチェンジアップ…。あらゆる「武器」を駆使し、130キロに届かない直球を「いかに速く見せるか」の緩急が冴え、3回以降は追加点を許さなかった。

 自分で力んで抑えるのではなく「周りを信じる」。意図をもって打たせることは「チームの守備力の向上にもつながる」と塗木哲哉監督。打たれたり、思うようなボールがいかないときは、捕手・西田がこまめにマウンドに走って、間を取った。6回表は先頭打者に左中間へ運ばれたが、センター・中、ショート・武田涼雅主将(2年)の素早い中継プレーで二塁アウトをとるなど、守備陣も再三の好守と無失策でエースの力投を援護した。大勢の「大島応援団」が駆けつけた三塁側からの応援に、大野は「ワクワクした」と背中を押された。

 9回表、二死一、二塁の場面で迎えた打者は2番・児玉陽悠(1年)。前日は同じ9回表に勝負を急いだ初球の直球で同点打を打たれたが、変化球から入ってストライクをとり、外角スライダーでセカンドゴロに打ち取った。「打たせてとるけど、ヒットは打たれない」気迫で最後の難敵を仕留めた。

 苦しいマウンドを投げ切ったエースに、「本当にすごいやつです」と武田主将は脱帽する。大野の力投がチームの原動力になり、「負けたくない、甲子園に行きたい」(武田主将)気持ちを前面に出して、県大会から再三続く苦闘をものにしてきた。この日の大野の球数は160球。2日間で346球を投げ抜いたエースに感謝すると同時に「頼ってばかりいられない。自分たちが打って援護できるようになりたい」と武田主将。「1週間500球以内」の球数制限を考えれば、残る球数は154球。準々決勝以降を勝ち抜くためには打線の奮起が欠かせない。

(取材=政 純一郎)

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舞鶴・奥本

舞鶴円陣

大島3点目