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九州国際大付左腕エース香西が92球1失点完投、打のチームがレベルアップ

92球1失点完投勝利の香西 一希(九州国際大付)

 明治神宮大会(高校の部)初出場の九州国際大付(九州・福岡)が、左腕エース香西 一希投手(2年)の好投で、大会初勝利を手にした。北海道を制したクラーク記念国際の打線を内野ゴロの間での1失点に抑えて完投勝利を挙げた。九州大会では4戦6発43得点の強力打線が目立っていたが、背番号1が存在感を見せつけた。

 まさにスイスイと27個のアウトを取っていった。初回、先頭打者を内野安打で出したが、相手バント失敗を機に後続を絶つと、2回、3回と3人で相手攻撃を終わらせた。4回に2安打で一死一、三塁となり、一塁ゴロで1点を取られたが、3点リードの場面で無理をしない守りだった。5回から最後まではわずか2安打。タイムリーもない、三塁を踏ませたのも4回だけと、完璧に近い投球だった。

「相手にミスもあって、勢いに乗っていけました。3回に点を取ってもらったので、守れて良かった。自分の持ち味である緩急をつかって、打たせてとる投球ができました」

 香西はそう胸を張った。右打者への外角へのチェンジアップ、左打者へは、外に逃げていくスライダーを低めに集めて、凡打の山を築いた。さらに、最速133キロという直球をわざと高めに投げ、体感で速く見せる配球もはまり、力ないフライも多かった。わずか92球での完投劇。リードした主将でもある野田 海人捕手(2年)も「チェンジアップは低めに、真っすぐは高めに意識させるリードをした。香西がいい投球をしてくれた」と満足そうだった。九州大会は打線爆発ばかりが注目されたが、初めての全国舞台で、投手力があるところを見せつけた。楠城徹監督も「香西が自分の持ち味を出してくれた」と、大舞台での孝行息子に目じりを下げた。

 自慢の攻撃では「攻撃型2番」の中上 息吹外野手(2年)が5打数3安打2打点の活躍を見せた。3回は「バント失敗の後だったので、自分で(走者を)かえそうと思っていた」と一死一、二塁から右中間を深々と破る先制2点適時三塁打を放った。その後も二塁打を2本放ち、すべて長打の猛打賞をマーク。チームも10安打を放ち、福岡大会の決勝から九州大会全4試合と続いてきた連続2ケタ安打を6試合に伸ばした。

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クラーク記念国際の先発・辻田 旭輝

 注目の1年生スラッガー、九州大会2発の4番佐倉 侠史朗内野手は、本塁打こそでなかったものの、9回5打席目でダメ押しの適時打を放つなど、長打だけでない勝負強さも見せた。次戦、東海を制した日大三島(静岡)が待ち受ける準々決勝こそ、1発を放って見せる。

 こちらも明治神宮大会初出場だったクラーク記念国際は、敗れたものの、来年へつながる収穫は多かった。先発した辻田 旭輝投手(2年)は練習試合で148キロをマークして臨んだ先発マウンド。この日の最速は143キロだったが、新しく習得したフォークに使えるメドがたった。「神宮のマウンドが少し固く、踏み出した足で踏ん張れず少し体が流れてしまいました。でもフォークは手ごたえを感じました。佐倉選手から三振を奪ったのもフォークでした」。北海道大会では未熟で使えなかった落ちる球を、この全国舞台で初めて試して成功した。先発5回途中6安打3失点と試合には敗れたが、新たな球種が増えて自信を持つことができた。佐々木 啓司監督は「山中は変化球も決まっていたし、直球のスピードもいつも以上でした」と、2番手山中 麟翔投手(2年)の成長も実感していた。

 主将である白取 太郎外野手(2年)は「自分のミスでチームに迷惑をかけた。自分たちの目標である全国1勝に向かって、全力で戦いたい」と出場が確実視される来年春のセンバツへ気持ちを切り替えていた。

(記事=浦田由紀夫)

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先制の2点適時打を放つ2番・中上 息吹(九州国際大付)

4番・佐倉 侠史朗(九州国際大付)

佐倉 侠史朗(九州国際大付)

クラーク記念国際の二番手・山中 麟翔