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激しい点の取り合いの末、広陵が辛くも花巻東を振り切る

勝利の瞬間、ガッツポーズをする内海優太(広陵)

 晩秋の朝日が差し込んでいる明治神宮野球場 。秋季地区大会の優勝校10校が集結して、秋の日本一を競う明治神宮野球大会。ベスト4の対決となったが、朝8時半過ぎにプレーボールとなった。

 広陵(中国・広島)は2回戦では関東代表の明秀学園日立(茨城)に14安打で快勝した。意外だったのだが、今大会が初出場でもある花巻東(東北・岩手)は、注目の佐々木 麟太郎内野手(1年)、田代 旭捕手(2年)ら中軸打者がその力を発揮して、長打攻勢で國學院久我山(東京)、高知(四国・高知)を下しての進出である。

 試合は、激しい打ち合い、長打合戦で点の取り合いとなっていった。終わってみたら、スコアボードには「0」のイニングが得点の入っているイニングよりも少なかった。花巻東は二塁打4本、本塁打1本。広陵は二塁打4本、三塁打1本、本塁打1本と、両チーム合わせて11本の長打が飛び交った。三者凡退も、お互いに1イニングのみという試合で、絶えず塁上が賑わっているという状況でもあった。

 2回、花巻東は二死三塁から暴投で先制。しかしその裏、広陵は押し出しで同点として、3番内海の中犠飛で逆転。さらに二死一、二塁という場面。花巻東のマウンドは早くも3人目の萬谷に代っていたが、4番真鍋が芯で捉えた打球はそのまま右翼スタンドに飛び込む3ランとなった。

 続く3回、4回にも二塁打と失策絡みで広陵は1点、2点と追加していく。ここまでの展開は、本塁打で完全に広陵の流れになっていたと言っていいであろう。この時点では、この試合で最大となる7点差で、あわやコールドゲームの可能性もあるという展開になってきていた。広陵の先発森山も、ここまでは4安打2失点で、まずまずの出来だったと言ってもいいであろうか。

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 しかし、諦めない花巻東は、ここから追い上げていく。このあたりは、佐々木洋監督の熱い指導の一つの賜物でもあろうか。

 6回は一死二塁から5番小澤の右翼線二塁打で1点を返す。さらに7回は二死一、三塁という場面で、注目の3番佐々木がこの回途中から代った岡山の外の球を巧みに運んで左越え二塁打で二者をかえした。

 こうして7点差が4点差となって迎えた8回。花巻東は一死から四球と熊谷、宮澤の連打で満塁として、2番渡辺の犠飛で3点差。なおも二死一、二塁。ここで、注目の佐々木を迎えるのだが、広陵岡山投手は思い切って勝負に行ったところ、カウント2―1からの4球目、内側のストレートか。しっかりと捉えた打球はそのまま右翼スタンドに入って同点3ランとなった。まさに、ここぞという時に打順が回ってくるというところでも、「何かを持っている」と言えそうだが、そこで期待に応える一発が出るという勝負強さは素晴らしい。183センチ、117キロという体格から放たれる一打のパワーは、とてつもないものがあるというところを見せてくれた。

 これで、試合の流れは完全に花巻東に傾いたかと思われた。

 ところが、この試合ではそうはいかなかった。その裏、広陵は一死から途中出場の小林が左前打で出ると、二死一塁となったが、途中出場で7番に入っていた川瀬が、花巻東4人目の工藤投手を捉えて右中間への三塁打で一塁走者をかえした。結果的にはこれが決勝点となった。

 9回の広陵の守りは、ライトからマウンドに登った3人目の内海が登板。二死一、二塁となって、9番熊谷が左前打を放ち、またまた同点かと思われたが、小林の好返球で本塁タッチアウトとなりゲームセット。

 途中、ワンサイドになりかけた試合でもあったが、後半の花巻東の追い上げは見事で、最後の最後まで、どう転ぶか、分からない展開になっていった。また、最後、しっかり守り切った広陵も素晴らしかった。このあたりはさすがに全国の地区大会の優勝校と言っていいであろう。

 来春のセンバツへ向けて、大いに期待を抱かせてくれる試合だったと言ってもいいであろう。

(記事=手束 仁)

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詳細は後ほど!