桐蔭学園が4強入り ボーイズ日本代表、ライオンズジュニアの逸材の活躍光る

桐蔭学園1番・相澤白虎

<春季神奈川県大会:桐蔭学園9ー5東海大相模>◇準々決勝◇23日◇保土ヶ谷

 神奈川を代表する名門校である桐蔭学園と東海大相模の一戦は、桐蔭学園に軍配が上がった。

 東海大相模の先発はエース・求 航太郎だったが、桐蔭学園は4回に打者10人の猛攻で6得点。大型右腕を攻略したことが試合の分け目となったが、なかでも3番・小林啓剛外野手(3年)は特に相性が良かった。

 2安打3打点という結果だったが、3回の2打席目はアウトにこそなったが、完ぺきに捉えたレフトライナー。続く4回の3打席目はレフト線へのタイムリーとプルヒッターぶりを発揮する内容だった。上体を高くして脱力させた突っ立ち気味の構えから、ヘッドを投手方向に傾けながら軸足に重心を乗せて球を呼び込む。そこから思い切りよく腰を鋭く回転させてスイングをしていく。

 迷いなく振り抜くだけではなく押し込みもしっかりしているので、多少詰まっても外野まで運べるパワーがある。小学生の時は埼玉西武ライオンズジュニアに選出された実力の持ち主だが、それも納得できるバッティング技術だった。

 この試合は不調気味だったとのこともあり「逆に開き直って打ちに行こう」と意識を切り替えて思い切りよく振って後続につなごうとしたことが功を奏した。

 そしてもう1人、主将を務める1番・遊撃手の相澤白虎内野手(3年)だ。

 1安打2四球という結果で、1番打者として後ろにつなぐ役割を十分に果たした。U-12、西武ライオンズジュニア、ボーイズ日本代表。そして名門・桐蔭学園の主将というエリート街道をひた走る。

 桐蔭学園の遊撃手で主将というと、フルスイングが光るDeNAにいる森敬斗内野手を連想するが、片桐監督も「刺激を受けていて、意識はしていると思うが、タイプは違います」と話している通り、相澤はアベレージヒッターの印象を受けた。

 どっしりとした構えから軸足に重心を乗せて、軸回転でバットを振り抜く。非常に滑らかな出だしからレベルスイングでバットを振りに行けるので、ボールを捉えられる幅が広く見える。打率を残せる打撃技術を持っているといっていいだろう。

 「打線の核です」と片桐監督が信頼する相澤だが、準決勝以降も火付け役となれるか注目だ。

東海大相模の最速142キロエースを攻略 桐蔭学園が泥臭く8安打で打ち崩す

ガッツポーズする桐蔭学園3番・小林啓剛

<春季神奈川県大会:桐蔭学園9ー5東海大相模>◇準々決勝◇23日◇保土ヶ谷

 冬場の期間、速球対策を中心に打撃練習に取り組んできた。その際には「自分たちの成長のためにやってきました」というミーティングをこまめに行い、チームとして意思統一を図ってきた。

 そこで使われてきたのが繋ぐ意識だと小林は話す。

「飛ばしたいと思って気持ちよく打ってしまいがちですが、そうすると打ち上げてしまって簡単なアウトになってしまいます。だからつなぐ攻撃をやろうと徹底していきました」

 この試合、最速142キロを誇る東海大相模の求の速球を詰まりながらも外野まで運ぶシーンが何度も見られたが、マウンドにいた東海大相模の求も「調子は悪くなかったですが、マウンドでもはじき返されていると思いました。そこで考えて投げるべきでした」と反省。泥臭くても真っすぐを攻略したことが、結果として試合の明暗を分けた。

 片桐監督も今日の打線については「ここ最近、2死から点数を取ったり、3人で終わらずに次の回へ繋がる攻撃ができていましたが、今日の攻撃の結果は良かったです」と及第点を与えた。

 今大会は横浜創学館、慶應義塾と県内のライバルから勝利を積み重ね、戦うごとに力を付けてきた。関東大会の切符まであと1つ。準決勝の戦いぶりも見逃せない。

 試合は1対2の4回、東海大相模のエラーをきっかけにチャンスを作った桐蔭学園は、7番・米倉凛捕手(2年)の犠牲フライで同点。さらに9番・阿南正輝外野手(3年)、3番・小林啓剛外野手(3年)の一打などで6得点。これで主導権を握り、試合を決定づけた。

 東海大相模も終盤に点数を返したものの、桐蔭学園が逃げ切って9対5で勝利した。

東海大相模、4投手で7四死球と苦しい状況 勝てる投手の台頭に期待

東海大相模先発・求航太郎

<春季神奈川県大会:桐蔭学園9ー5東海大相模>◇準々決勝◇23日◇保土ヶ谷

 桐蔭学園の前に敗れ去った東海大相模。最速142キロ右腕・求 航太郎投手(3年)を先発マウンドに送り、本人も「調子は悪くなかった」と自己評価しながらも、4回途中で降板。その後、3投手をつぎ込んだものの、試合をひっくり返すことができず、2018年の秋季大会以来となる県内の公式戦の敗退(出場辞退を除く)となった。

 2021年の秋も、県大会では投打の歯車ががっちりあっていたが、センバツのかかる大一番となる関東大会で投手陣が思うような結果を残せず敗戦している。それを踏まえて「冬場しっかり取り組んできました」と原監督が話すように、春の大会は地区予選を含めて4回戦まで無失点。完ぺきな内容で来ていたにも関わらず、第1シードのかかった一戦を勝ち切れなかった。

 求は立ち上がりから真っすぐをはじき返され、「はじき返されているのはわかっていましたが、そこから考えて投げられていなかった」とピッチングの内容を変えられなかったことを反省。その点については原監督も「4回だけリズムが一定になっており、打者に合ってしまっていた。もっと間を上手く使えればよかったと思います」と失点したイニングを振り返った。

 求の直球は角度があり、球威もある。ただ三振は1つだけと圧倒できているわけではないというのが現状だ。であれば、求や原監督が話すように、打たれたときにリズムを変えるなど、何か考えて投げることもこれからは必要だろう。

 原監督は「夏に向けて投球術を身に着けてほしいです」とエースへ課題を明示した。その求は、「真っすぐはもちろんですが、制球力などを高めて試合を作れるようにしたい」とはっきりと自身の課題を挙げた。

 また、この試合は宮本 大輝投手(3年)、子安 秀弥投手(3年)、南 琉人投手(3年)と繋いだが、求を含めて4投手合わせて7四死球。対する桐蔭学園の山口凱矢投手(3年)は4四死球と、各投手が試合を作れず、リズムを作れなかったことも大きな要因だろう。

 秋の主力投手だった庄司 裕太投手(3年)、庄田 聡史投手(3年)も控えていたが、調子を見て継投させた。一発勝負のトーナメントで、常にベスト状態を維持するのは確かに難しい。ただ、それでも結果を残さなければ、夏は勝ち切れない。この試合、打線は11安打5得点を記録した。秋と変わらぬ強打があるならば、勝てる投手というのが、今の東海大相模には求められるのではないだろうか。

 この敗戦がさらなる成長、さらには夏に繋がるものへ。東海大相模は第2シードから夏の頂点を狙うべく牙を研ぐ。

(取材=編集部)

東海大相模
1番(中)伊藤 航大
2番(左)武井 京太郎
3番(三) 笹田 海風
4番(一)山内 教輔
5番(遊)深谷 謙志郎
6番(捕)谷口 翔生
7番(二)及川 将吾
8番(右)平岡 大和
9番(投)求 航太郎

桐蔭学園
1番(遊)相澤 白虎
2番(二)上笹 恭吾
3番(中)小林 啓剛
4番(一)佐藤 陽向
5番(右)牧野 竜也
6番(三)松尾 大
7番(捕)米倉 凛
8番(投)山口 凱矢
9番(左)阿南 正輝