県内屈指左腕・森本哲星(市立船橋)、冬場から磨いたスライダーを武器に10奪三振完封勝利でベスト4!

先発・森本哲星(市立船橋)

 <第75回春季千葉県高校野球大会:市立船橋2−0東京学館>◇1日◇準々決勝◇ゼットエーボールパーク

 市立船橋・森本 哲星投手、東京学館・田中 千歳投手の投げ合いは見応えがあった。

 鳥取出身の森本は、下級生の時から順調に経験を積み、最速143キロに達した県内屈指の本格派左腕。3月の紅白戦で打球が左肘に当たり、戦線離脱。県大会ギリギリで間に合い、登録変更で背番号20としてベンチ入りした。実戦登板は少なく、これが今大会初登板。「ほぼぶっつけ本番でした」と振り返る。

 そのため直球の走りは本調子ではなく、常時130キロ前半〜136キロとそれほど速くはない。ただ、この冬で磨いてきたスライダーの切れ味が光った。カーブのような曲がりを見せていたスライダーは、さらにストレート系から手元で急激に落ちる縦系のスライダーへ変貌。

「スライダーのスピードが上がったのが良かったと思います」。120キロ前半のスライダーは、手元で鋭く落ちて、多くの空振り三振を奪うことができる。女房役のプロ注目捕手・片野 優羽捕手(3年)は「スライダーが良かったと思います」と絶賛した。

 しっかりとゲームメイクを行い、6回以降は無安打と尻上がりに調子を上げていき、10奪三振、被安打4、完封勝利を挙げた。

 海上監督は初先発の森本について「この冬は体づくり、投球練習など非常に意識高く持って取り組んでいました」と取り組みぶりを評価。精神的な成長が完封勝利につながった。

 体つきも175センチ、65キロだったが、体重が73キロと8キロも増量した。まだ実戦登板も少なく、まだ5月にしては気温も低かった。夏になれば、もっとスピードは上がっていくだろう。

 県内屈指の左腕として、期待通りの結果を残した森本以外にも多くの投手が公式戦でも好投をしており、海上監督は「投手陣の取り組みがよく、しっかりと成長してくれた」と評価しており、準決勝の拓大紅陵戦では投手陣が力を発揮し、関東大会出場をつかんでいきたい。

今大会初登板の東京学館の144キロ右腕。強打の市立船橋打線相手に2失点の好投

先発・田中千歳(東京学館)

 最速144キロ右腕として去年から評判だった東京学館・田中 千歳投手(3年)。大会前までなかなか調子が上がらず、背番号10としてベンチ入りとなったが、県内屈指の右腕にふさわしい投球を見せた。

 躍動感ある投球フォームから繰り出す速球は常時130キロ前半〜138キロ程度。ただ、力を入れた時の直球はややスピード表示が出やすい千葉県野球場のスピードガンならば、140キロ前半を連発していてもおかしくない威力のある直球だった。

 「市立船橋打線は力強いので、緩急を使うことを意識しました」と語るように、120キロ前後のスライダー、100キロ台のカーブを織り交ぜて、上位打線から空振りを奪い、また速球、変化球をテンポよく投げ込んで、追い込んでから威力抜群の直球で三振に奪うなど、投球のコンビネーションが良かった。特に片野 優羽捕手(3年)に対しては変化球中心の攻めで無安打に抑えることができていた。

 2失点を喫し、敗戦投手となった田中は「粘れなかった」と悔やんだが、8回を投げて8安打を打たれながらも、2点にとどめた粘りのピッチングは大きく評価できる。背番号11の牧航汰投手(3年)が最速140キロの速球を武器に2試合連続完封しており、今年の東京学館の投手力は県内トップクラスということを印象づけた。

 試合後、さらなるレベルアップを誓った田中。夏を盛り上げてくれる投手になることを期待したい。

(記事=河嶋 宗一)