春の関東王者・浦和学院 宮城、金田に加え芳野、浅田の一本立ちに手応え

浦和学院 先発・芳野大輝

<春季関東地区高校野球大会:浦和学院4−1関東一>◇29日◇決勝◇宇都宮清原

 2022年春の関東大会は浦和学院(埼玉)が5年ぶり7回目の優勝を飾った。「夏に繋がっていく良いゲームでした」。試合後、浦和学院の森大監督は清々しい表情で振り返った。センバツ4強を経験し、この春季大会はエース左腕・宮城 誇南投手(3年)以外の投手陣と下位打線の成長に期待して采配し、頂点に登り詰めた。

 先発した左腕・芳野 大輝投手(3年)は130キロ中盤の直球とチェンジアップを軸に6回4安打1失点と関東一打戦を相手に好投。森監督も「よく投げてくれた」と芳野を称えた。宮城を支える左腕として一本立ちを期待している。2番手の右腕・浅田 康成(3年)も2回を無失点で繋いだ。初戦の桐蔭学園(神奈川)戦では8回まで無失点の2失点完投と好投していた。2人の3年生投手が結果を残し、投手陣の底上げもみられた。

 特に関東一の1番・柳瀬 冬和外野手(3年)、3番・井坪 陽生外野手(3年)を無安打に抑えたことが大きかった。「しっかり振れていましたので、上位打線を『線』にさせなかったことがよかった」と森監督も勝因の一つに挙げた。

 上位打線が機能し得点した中で、7回には6番・八谷 晟歩主将(3年)が右方向へ快打し、貴重なダメ押し適時打が生まれた。一塁上では声を挙げて感情を表した。八谷主将について森監督は「オレがオレが、というタイプではないですが、自分が決めるという気持ちも出てきました。近江の山田くんに感化されている部分もある」とセンバツ準決勝で敗れた近江の主将・山田 陽翔投手(3年)の姿から学ぶものもあったようだ。

 全国制覇を狙う浦和学院。夏は宮城と金田に芳野と浅田も加わった4枚の投手たちを軸に激戦区・埼玉大会を勝ち上がる。

2年連続準Vの関東一 積極的走塁でファンを魅了、本格派右腕も躍進

関東一 二番手・成井颯

<春季関東地区高校野球大会:浦和学院4−1関東一>◇29日◇決勝◇宇都宮清原

 関東一(東京)は2年連続で準優勝という結果に終わった。先発したエース左腕の桝川 颯太投手(3年)にとっては、悔しさが残る投球となった。130キロ前半の直球と変化球で勝負する実践派左腕は、この春、エースの背番号「1」をつかんだ。しかし、この日の調子は「最悪でした」と本来の投球ができなかった。「調子が悪い時でも抑えられるのがエースだと思っています」。実力不足を痛感した試合だった。

 ボール先行の投球から、甘く入った変化球をすくわれるなどで得点を許した。5回コールドゲームだった準々決勝は強打・健大高崎(群馬)相手に5回を2安打無失点と好投したが、決勝の大一番は先発2回で3失点を喫し、マウンドを降りた。

 1番から9番まで巧打者が揃う浦和学院打線。「自分の力があれば抑えれると思っていたのですが、心のどこかで逃げの気持ちがあったと思います」と課題を口にした。

 それでもこの関東大会では、秋はエースナンバーを背負っていた背番号10の右腕・成井 颯投手(3年)が躍進した。初戦の甲府城西(山梨)戦で最速を142キロに更新。都大会では139キロ止まりだったが大台に乗せることができた。常時130キロ後半を投げ込む本格派右腕が、この関東大会で一皮剥けた。この日も2番手としてマウンドに上り、4回を被安打3の無失点と、中盤戦で浦和学院にペースを渡さない投球が光った。

 関東大会準優勝という実績を引っさげ、エース争いをする左右の両腕が2019年以来の夏の甲子園を目指し、最後の夏へ向けて走り続ける。

 野手陣は積極的走塁が光るリードオフマン・柳瀬 冬和外野手(3年)と、準決勝まで1本塁打含む10打数6安打と絶好調の3番・井坪 陽生外野手(3年)が無安打に終わり、持ち前の機動力打線が機能しなかった。井坪について米澤貴光監督は「調子が良すぎて、好球ではない球にも反応していた。もう少しコンパクトにスイングできれば」と振り返る。準決勝では「右方向にも良い打球が飛ばせている」としっかり自分のスイングができていることを好調の要因を振り返り、この日も力強いスイングは見せたものの、警戒していた浦和学院バッテリーに軍配が上がった。

 それでも、この関東大会では出場校随一の攻撃的野球でファンを魅了した。抜かりない走塁は浦和学院の森大監督も「参考にしたい」と称賛した。

 関東大会で磨きをかけたアグレッシブな野球で、この夏は東東京の優勝候補筆頭として、甲子園を目指す。

(記事:編集部)