大阪商業大が富士大との延長戦を制す!2番手の上田が自己最速152キロに更新する力投で好リリーフ

5回3分の1を投げて無失点の好リリーフを見せた上田大河(大阪商業大)

<全日本大学野球選手権:大阪商業大2ー1富士大(延長10回タイブレーク)>◇6日◇東京ドーム

 大阪商業大が富士大との熱戦を制して初戦を突破した。

 富士大の先発はプロ注目右腕の金村 尚真投手(4年=岡山学芸館)。140キロ台後半のストレートを軸にスライダーなどの変化球が冴え、5回まで3安打無失点と評判通りの実力を発揮する。「絶対に打てないと思いました。(ストレートは)スピンが効いて、ベース板で非常に強い」と大阪商業大の富山陽一監督もお手上げの様子だった。

 一方、大阪商業大先発の伊原 陵人投手(4年=智辯学園)も好投を見せる。ストレートの球速は130キロ台後半の左腕だが、球速以上に威力のあるボールを投げており、こちらも4回まで1安打無失点と素晴らしい投球を披露した。

 試合が動いたのは5回裏、先頭の4番・須田 優真内野手(4年=聖光学院)が甘く入ったストレートを右翼席に運び、ソロ本塁打で1点を先制する。

 富山監督は伊原が5回まで投げて、6回から本格派右腕の上田 大河投手(3年=大阪商業大高)に継投するというプランを描いていた。ところが、一死一塁から投手ゴロを処理した際に足に違和感を覚え、二死一、二塁から9番・坂本達也捕手(2年=博多工)に初球を投じたところで、自らサインを出して降板。予定よりも早くマウンドに上がった上田だが、「3回からいつでも行けるように準備していました」と動揺はなかった。坂本を146キロのストレートで三振に切って取ると、6回も自己最速タイの151キロをマークして、無失点に抑える。

 何とか反撃したい大阪商業大打線は7回表、連打と犠打で一死二、三塁のチャンスを作ると、6番・家田 陸翔内野手(4年=近江)が初球の変化球を捉え、中前適時打で同点に追いつく。なおもチャンスは続いたが、ここは金森が踏ん張り、勝ち越しは許さない。

 同点に追いついて流れは大阪商業大に傾きつつあった。上田は7回裏に自己最速を更新する152キロをマーク。スプリットやチェンジアップも冴え、富士大打線を沈黙させる。


10回表に決勝打を放った福島大輝(大阪商業大)

 試合は9回で決着がつかず、無死一、二塁から始まる延長10回タイブレークに突入。10回表の大阪商業大は先頭の家田が犠打を決めて一死二、三塁とすると、7番・福島 大輝外野手(2年=倉敷商)が金村のストレートをライト前に運び、適時打で1点を勝ち越した。

 大阪商業大は追加点を奪うことはできなかったが、この日の上田にはタイブレークでも1点あれば、十分だった。10回裏の守備は先頭打者の犠打で一死二、三塁とされたが、続くピンチを投手ゴロと中飛で切り抜け、1点のリードを守り切った。

 5回3分の1を投げて2安打無失点6奪三振の好リリーフを見せた上田について富山監督は、「勝負慣れしている。相手に応じて戦えるピッチャー」と評価する。そのことについて上田は次のように語ってくれた。

「打席での雰囲気なんですけど、構えであったり、初球の見逃し方であったり、一度、自分がバッター目線になって、このボールは待っていないだろうなというボールから入って、そこでスイングの仕方や打球方向を見て、自分で組み立てたりします」

 150キロ前後の速球を投げる投手というイメージの強い上田だが、クレバーな投球ができるのも強みとしている。来年には間違いなくドラフト上位候補として挙がってくるだろう。全国大会に相応しいハイレベルな投手戦だった。

(取材:馬場 遼)