
2安打完封勝利を飾った伊藤茉央(東京農大北海道オホーツク)
<第71回全日本大学野球選手権:東農大北海道オホーツク4−0宮崎産業経営大>◇7日◇1回戦◇東京ドーム
出場校で最北の東農大北海道オホーツクと最南の宮崎産業経営大による一戦は東農大北海道オホーツクに軍配が上がった。
東京農大北海道オホーツクの先発は右横手投げの伊藤茉央投手(4年=喜多方)。「ゴロを打たせてアウトを取れたので、守備から流れを作って、バッティングにもつなげられたので良かったと思います。真っすぐが序盤は浮いていましたが、修正して中盤から空振りを取れて、他の変化球を生かせることができました」と140キロ台の威力のある直球を軸に凡打の山を築いていく。
宮崎産業経営大が誇る強打者として注目を集めていた3番の松山翔太捕手(4年=鵬翔)も無安打に抑えられた。伊藤の投球について松山はこう印象を語る。
「しっかりコースに投げてこられていたので、甘い球が全然なかったです。外の変化球は低めギリギリいっぱいに投げ込んで、真っすぐは右バッターのインコースに食い込んできて、バッターとしてはなかなか絞りづらかったです」
打線では主将の8番・吉井嵐将内野手(4年=東農大二)が勝負強さを発揮した。2回裏の第1打席は1死三塁から中前適時打を放ち、先制点を挙げると、4回裏の第2打席、5回裏の第3打席と3打席連続中前適時打の大活躍。3打数3安打3打点1犠打の大当たりだった。
吉井は不動のレギュラーではないが、左投手の先発が予想されたことからスタメンに抜擢された。「この子は苦労した子と言いますか、レギュラー格ではなかった子ですが、そういう場面で打つのは学生野球ならではだと思います」と三垣勝己監督も活躍ぶりに目を細めた。
最後まで球威が衰えなかった伊藤は2安打完封。エースと主将が活躍を見せた東農大北海道オホーツクが4対0で快勝を収めた。
2回戦では昨年に3対11の7回コールド負けを喫した上武大と対戦する。「去年もやらせてもらった上武大さんにチャレンジャーとしてやらせていただけることに関しては非常にありがたいことですし、去年みたいに何も残せないゲームをしたくない」とリベンジを誓った三垣監督。次戦はどんな戦いを見せてくれるだろうか。
(取材:馬場 遼)