佛教大がサヨナラ勝ちで3年前のリベンジを果たす

サヨナラ勝ちを収めて喜びを爆発させる佛教大の選手たち

<第71回全日本大学野球選手権大会:佛教大3−2明治大>◇9日◇準々決勝◇神宮

 3年前の決勝と同じ顔合わせとなったこのカード。3年前は1対6で敗戦を喫した佛教大が今回はリベンジを果たした。

 東京六大学王者の明治大は右膝の故障で出遅れていた主将の村松 開人(4年・静岡)を1番指名打者で起用。「昨日の動いている姿を見て心配ないと思った」(田中 武宏監督)と攻撃面に関してはベストのオーダーを組むことができた。

 その村松は第1打席で左前安打を放ち、復調ぶりをアピール。後続が倒れて先制点を奪うことはできなかったが、明治大本来の形ができたと思われた。

 だが、試合の主導権を握ったのは佛教大だった。明治大のエース・蒔田 稔(3年・九州学院)に対して、2回裏に3連打で一死満塁とチャンスを作ると、主将の2番・田中 颯翔(4年・天理)の中犠飛で先制点を挙げる。さらに続く3番・七條 太一(2年・文徳)の放ったライナーが蒔田の右手を直撃。まさかのアクシデントで降板となり、1年生左腕の久野 悠斗(報徳学園)が緊急登板となった。二死満塁という厳しい場面でのマウンドとなったが、4番の岡野 翔海(2年・神戸国際大附)を遊撃ゴロに打ち取り、追加点を許さなかった。

 久野は140キロ台中盤のストレートを勢いよく投げ込み、3回裏は三者凡退に抑える。しかし、4回裏に四球から二死二塁のピンチを招くと、田中に右前適時打を浴び、リードを2点に広げられてしまった。

 何とか反撃したい明治大だったが、佛教大先発の山本 奨人(3年・智辯学園)を前に打線が沈黙する。1回戦の東海大戦で7回二死まで無安打投球を続けていた山本はこの日も素晴らしい投球を披露。「右バッターにはカットボールとスライダー、左バッターにはツーシームとスプリットがコースに決まっていたので、相手のバッターも当てにきてくれたのかなと思います」と曲がりの小さな変化球を巧みに駆使して、凡打の山を築いていった。

 試合は2対0で佛教大リードのまま9回表に突入。だが、土壇場で明治大が意地を見せる。先頭の3番・宗山 塁(2年・広陵)がライトフェンス直撃の二塁打で出塁。その後、二死三塁となり、6番・蓑尾 海斗(4年・日南学園)の中前適時打でまずは1点を返す。さらに蓑尾の代走で出場した飯森 太慈(2年・佼成学園)が盗塁を決めて、二塁に進塁。一打同点の場面を作ると、西山 虎太郎(4年・履正社)が左中間を破る適時二塁打を放ち、リーグ戦でも終盤に強さを発揮した明治大が崖っぷちの場面から同点に追いついた。

 佛教大はここで好投を続けていた山本に代えて、エースの木村 光(4年・奈良大附)を投入。右肩の故障明けであるため、今大会はリリーフで短いイニングに出番を限定しているプロ注目右腕は145キロのストレートで明新 大地(4年・明大中野)を三塁ゴロに打ち取り、勝ち越しは許さなかった。

 試合は延長戦に入り、無死一、二塁から始まるタイブレークとなった。10回表の明治大は先頭の9番・直井 宏路(2年・桐光学園)が犠打を試みるが、捕邪飛となり、走者を進めることができない。さらに1番・村松は左飛、2番・堀内 祐我(3年・愛工大名電)は投手ゴロに倒れ、無得点で攻撃を終了した。

 10回裏の佛教大の攻撃は5番の沢嵜 一輝(3年・坂井)から。明治大は9回から登板した5番手の千葉 汐凱(2年・千葉黎明)がマウンドに上がっていた。沢嵜は2ボールから三塁側に絶妙な犠打を決めると、千葉の一塁送球が高めに大きく逸れ、その間に二塁走者が生還。まさかの幕切れで佛教大がサヨナラ勝ちを収めた。

 「予想していた展開ではなかったので、驚いています。あそこまで0点に抑えるのは予想外でした。人生ってバランスだと思うんですよ。何かこっちで良いことがあれば、あっちで良くないことが起きる。何かが起きるんじゃないかとメチャクチャビビっています」と話して報道陣を和ませた佛教大の田原 完行監督。準優勝した3年前と同じように神がかり的な快進撃を続けている。「まずは目の前の試合を勝ち切ることを意識しながらやっていきたいと思います」と次戦に向けて意気込みを語った田中。初の日本一まであと二つだ。

(取材:馬場 遼)