脇役が決勝進出のヒーローに!聖光学院はベンチ入り選手も勝負強い!

1点を返し盛り上がる聖光学院ナイン

<春季東北地区高校野球大会:聖光学院5−3弘前学院聖愛>◇12日◇準決勝◇県営あづま

 弘前学院聖愛(青森)vs聖光学院(福島)の試合は、雨天の影響で当初の10時試合開始から2時間半遅れの12時半開始と伝えられたが、さらに雨が降り続き、当初より4時間21分遅れの午後2時21分試合開始となった。試合は3対3で迎えた延長12回表、聖光学院が2点の勝ち越しに成功。その裏を守りきり、決勝戦進出を決めた。

 聖光学院の底力を実感させる試合だった。エースの佐山 未來投手(3年)をはじめ、スローイングタイム1.9秒台の強肩と巧打が持ち味でU-18代表1次候補の山浅 龍之介捕手(3年)、走攻守三拍子揃った安田 淳平外野手(3年)らが核となっている。しかし、試合では日替わりでヒーローが出るのも、今年の聖光学院の強さでもある。

 エース・佐山が準々決勝で足がつってしまった影響で、無理をさせずにベンチスタート。右アンダースローの小松桜吏投手(2年)が先発した。しかし1回先頭打者からいきなり2者連続四球を与え、さらに小松自身の悪送球などで、無死一、三塁のピンチを背負った。ここで小松は降板し、技巧派左腕の小林 剛介投手(3年)が登板した。3番・高木優斗内野手(3年)の犠飛で1点を先制され、2回裏も7番三上 泰斗内野手(3年)の適時打で2点目を入れられる。

 だが、途中登板の小林は120キロ前半の速球に小さく曲がるスライダーのコンビネーションで打たせて取る投球を心がけ、3回、4回と無失点に抑える。

 打線も3回表、相手の敵失で1点を返し、さらに5回表には4番三好元気外野手(2年)の中前適時打で試合を振り出しに戻す。斎藤監督は「選手たちは佐山以外の投手が点を取られてビハインドの展開になることはいつものこととして捉えていて、慌てる様子はありませんでした」

 5回裏、弘前学院聖愛の9番・菊池成外野手(2年)の本塁打で1点を勝ち越されるが、それでも慌てることはなかった。

 6回裏から佐山を投入。最速137キロの速球に、カットボール、スライダーを散らせて、巧打者揃いの弘前学院聖愛を抑えていく。

 打線は弘前学院聖愛の先発・葛西倖成投手(3年)の前に苦しんでいた。常時130キロ後半〜141キロの速球に、120キロ中盤のカットボールも精度が高く、聖光学院打者陣がなかなか捉えられなかったが、8回表、8番・生田目陽内野手(3年)の適時打で追いつく。

 試合は9回で決着がつかず、延長戦に入った。


勝ち越しのホームを踏む三好(聖光学院)

 延長11回裏はサヨナラの大ピンチを迎えた。1死満塁で、強打の捕手・工藤 天晴選手(3年)が右飛。処理した右翼手の三好が好返球でタッチアップを狙った三塁走者をタッチアウト。見事な併殺でサヨナラを阻止した。三好は「全く覚えていないプレーだったのですが、普段の練習の時からこういう場面でアウトにするためにノックをやっているので、アウトにできてよかったです」と振り返った。

 直後の12回表、背番号18の狩野 泰輝外野手(3年)の左前適時打で勝ち越しに成功。さらに生田目の適時打で5対3と突き放した。斎藤監督は「脇役の彼らが仕事をしたのはこのチームにとって大きい。特に狩野は年明けから体が開く癖があって、それを修正できず不調が続いた。最近は良くなってきて、1打席目から内容のある打撃でしたので、使い続けました。狩野が仕事したことが大きいです」と狩野をたたえた。また2打点の生田目や、途中出場ながら2得点の三田寺 大吾内野手(3年)についても評価していた。

 聖光学院のベンチ入り選手は気持ちが強く、土壇場で実力を発揮できる選手が多い。斎藤監督は「特に勝ち越しの場面は二塁走者・三田村の気持ちの強さがあったから、還ってこれた」と語るように、戦い方に迷いがない。

 4年ぶりの東北大会制覇へあと1勝となった。

(記事:河嶋 宗一)