最速146キロ右腕、新兵器で専大松戸に粘り勝ち 木更津総合が逆転で決勝へ

木更津総合・越井颯一郎

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<第104回全国高校野球選手権千葉大会:木更津総合6-5専大松戸>◇24日◇準決勝◇ZOZOマリン

 2021年の千葉の高校野球で屈指の名勝負を演じた木更津総合と専大松戸。夏の千葉大会では延長13回までもつれ込む大熱戦を演じた両チームが、2022年の夏に再び激突。決勝をかけて両チームが昨年同様、ZOZOマリンスタジアムで熱戦を演じた。

 終盤までもつれた末に、木更津総合が勝利したが、エース・越井 颯一郎投手(3年)は最後まで粘りある投球を見せ、エースにふさわしい内容だった。

 最速は146キロだが、球場のスピード表示でも直球は130キロ中盤から後半で、スピードが出た時に140キロを超えるほど。威力も少し足りない感覚もあり、好調ではないように見受けられる。

 変化球についても同様だ。3回の集中打の際は高めに浮いてしまった変化球を、ことごとくはじき返され、失点を重ねることになった。その後、マスクを被る中西 祐樹捕手(3年)は両腕で「低く、低く」とジャスチャーを送るほど。決して本調子とは言えない状態だったと考えられる。

 越井本人もこの状態を踏まえて「抑えるのがエースなので、5失点してからは何も考えずに、とにかく気持ちで抑えました」と細かいことを気にせずに右腕を振り抜いたという。

 専大松戸打線はこれまでと違い、強打者揃いだったからこそ、「大事な場面こそ、ボール球でもいいから外角中心に突いて打たせて取れば、ヒットにはなりにくい」ことを意識したというが、中盤以降は力が抜けたことで体現する投球ができた。

 支えになったのがセンバツ直前から増やした新たな引き出し、カットボールだった。
 中西によると、この試合は立ち上がり、スライダーを使っていたというが、「腕が振れていない」ということを判断し、カットボールに切り替えた。この切り替えで、カウントを整えるのはもちろん、勝負どころで効果を発揮した。

 そもそも、最初はスライダーの調子が上がらなかったため、センバツ前にカットボールを代わりに覚えたというが、今となって「どちらかがだめでも、配球ができるので、引き出しが増えましたし、変化球でもカウントを整えることができるようになりました」とキャッチャー目線では効果が大きいようだ。

 越井にとっても、「カットボールに関しては、どれだけ外角に投げられるようになるか。そこは夏に向けて練習してきた」と夏の甲子園に向けて磨いてきた球種の1つだった。

 この試合、最後の打者には練習してきた外角へのカットボールでアウトにした。「アウトコースに投げ込めればアウトになると思っていたので、『打ってくれ』と思って投げました」という心境だったというが、結果は右飛に抑え、想定通りの結果で決勝進出をたぐり寄せた。

 専大松戸・持丸監督も、このカットボールの存在は認識していたが、最後までとらえきれなかった。剛速球と、スローカーブを使った緩急の投球が持ち味だった越井にとって頼もしい武器が加わった。2季連続の甲子園へ、磨き上げた第3の武器で切り開くことができるか。

 試合は4対5で木更津総合がビハインドで迎えた7回、1死二、三塁から6番・植木 瑠斗内野手(3年)が値千金の勝ち越し打で6対5として、木更津総合が決勝進出を決めた。

(取材=編集部)