享栄が食い下がる星城を振り切って、ベスト4進出を果たす

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<第104回全国高校野球選手権愛知大会:享栄7−4星城>◇26日◇準々決勝◇小牧市民

 昨秋と今春、いずれも県大会でベスト4まで残ってきて、安定した力があることを示している星城。シード校として臨んだ今大会でも、4回戦では昨秋の県大会準決勝で敗れた至学館に雪辱を果たし、5回戦ではイケイケムードで上昇してきた向陽にコールド勝ちしてここまで来た。

 対する享栄は昨秋の県大会優勝校である。そして、今春もベスト8まで勝ち上がったところで新型コロナの感染によって準々決勝は辞退を余儀なくされてしまった。それでも夏のシード権は確保できていた。そして、この夏はここまでは、ほぼ危なげなく勝ち上がってきて、まさに来るべくしてきたベスト8である。いよいよ、ここから本格的に甲子園を目指す戦いが始まるといったところであろうか。

 2009年に全国制覇に導いた中京大中京から移籍してきて3年。大藤敏行監督も、「長く閉ざされた扉をこじ開けるのは、並大抵のことではない」という思いでもある。そして、じっくりとチームを作り上げてきているだけに、このチームに賭ける思いは強い。

 両エース同士の先発だったが、試合は序盤から激しく点を取り合った。

 享栄は初回、1死から四球とバント失策で一、三塁とすると、4番吉田が右翼線へ二塁打して2人をかえす。さらに2回にも2死走者なしから四死球と失策で1点を加えて、なお二、三塁。3番高田の右越え二塁打と、続く吉田の中前打でこの回4点で6対0とした。ここまでは享栄のワンサイド気味の展開だったが、さすがに星城もそのままではなかった。2回裏、すぐに反撃する。

 この回、5番溝﨑が中前打すると、1死後、連続死球で満塁。さらに、暴投で星城は難なく1点を返す。東松もちょっと力みがあったかなという印象でもあった。2死二、三塁となったところで、星城は田中、中川、後藤 将太の3連打でこの回4点を返して、2点差まで迫った。

 こうした激しい点の取り合いとなったが、3回から星城の木下秋次監督はエース田島を諦めて、2人目として後藤 海斗を送り出した。これで、少し試合の動きが止まってきた。享栄の東松も「力の入れ方がちょっと違うんじゃないか」と大藤監督に指摘されて、修正してきたことで、球もバラつきが少なくなってきた。

 こうして試合が落ち着いてきたかなというところで5回、享栄はこの回先頭の関が左翼へソロホーマーを放って突き放す。試合の流れということで言えば、享栄にとっては非常に貴重な一発ということになった。「ちょっと、試合が膠着しかかってきたところだったで、あの一発は大きかった」と、大藤監督。

 結局、その後は凌ぎ合いで東松と、後藤 海斗の粘りの投球での投げ合いで、お互いに走者を出したりもしながらも、よく踏ん張っていた。

 ことに9回は、享栄は三者凡退。星城も1番からの好打順だったが簡単に2死。あと1人となったが、ここで、大藤監督も「あれは非常にいいバッター」と認める後藤 将太が左翼線へ二塁打すると、代打石川 拓哉も三塁内野安打で一、三塁となる。ここで、星城では最も長打力のある溝﨑だ。実は、春季県大会でも、延長戦となった2回戦の大同大大同戦で10回に豪快にサヨナラ本塁打を放っている。決めるとしたらこの男しかいないというくらいに期待は高かったであろうし、星城の応援スタンドは最高潮に達していた。東松との一騎打ちの勝負となったが、フルカウントからファウルで沸いたが、最後は空振り三振。東松が投げ勝って試合終了となったが、非常に見ごたえはあった。

 試合後、大藤監督は、「相手の強力打線はわかっていたから、厳しい戦いになるなとは思っていた。ちょっと力の入れ方を勘違いしているところもあったので、そこは注意した」と序盤のバラつきについては、まだ気持ちの部分に迷いがあることも指摘していた。そして、「最後の大事な大会で、実を結ぶ活躍をするのは、本当に努力してきたヤツ。だから、関の一発は試合の流れだけじゃない価値もあった」と、関の3年間の努力を評価していた。実はこれが、今大会チームとしても初めての本塁打だということだ。「自分たちがやるべきことをしっかりやって、それで勝てなかったら、それは仕方ない。そういう思いで戦っていく」と、これから先の戦いへの思いを語っていた。

 星城の木下秋次監督は、「このチームは、本当に安定していた。選手たちも主将の後藤 将太や捕手の小川もそうだけれども、誰も手を抜かないでいい選手たちだった。それは、2年上の先輩たちがひたむきにやってきていて、それを見ていてついて行ったということもあったのではないかと思う。今度、次の代がこの子たちの姿を見て、また頑張っていってほしい」と、星城としての思いを繋いでいってくれることを期待していた。

(取材=手束 仁)