2点を先取されるも愛工大名電が2ラン、3ランなどで逆転し連覇を目指す決勝進出

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<第104回全国高校野球選手権愛知大会:愛工大名電7−4愛知啓成>◇28日◇準決勝◇岡崎レッドダイヤモンド

 昨年の優勝校・愛工大名電は、準々決勝の豊川戦でもコールド勝ちするなど、分厚い選手層で安定した戦いで危なげなく勝ち上がってきている。その愛工大名電の勢いを止めたい愛知啓成は、準々決勝では、今大会旋風を巻き起こしている感のあった富田に、3点リードも満塁本塁打を浴びて逆転されるなどしたが、最終的には力を示して再逆転で振り切ってきた。

 愛工大名電は、この試合では誰を先発投手に持ってくるのかと思っていたが、倉野光生監督は背番号3の4番打者山田 空暉投手(3年)を先発させてきた。対する愛知啓成は、迷うことなくエース左腕の東 祥大投手(3年)だ。

 初回、愛知啓成は先頭の伊藤 縞外野手(3年)が中前打で出ると、バントで進め、三振と四球で2死一、二塁となったところで5番に入っている東自身が右越え三塁打して2人の走者をかえして先制。愛知啓成としては、願ってもないいい形での試合の入りだった。

 2点を追う愛工大名電は2回は先頭の石見 颯真外野手(1年)が二塁打したが、後続は三塁手の太田 光軌内野手(3年)の好守などで抑えられた。そして4回、2死で一塁に安打の伊藤 基佑内野手(3年)を置いて、6番市橋 昂士内野手(3年)の一打は右翼手の頭を越えて、そのまま芝生席に飛び込む同点2ランとなった。思ったよりも、打球がよく飛んだという印象だった。

 同点のまま後半戦に入って7回、愛工大名電は4回に8番投手の代打で出て、そのまま3人目の投手として登板していたエースナンバーの有馬 伽久投手(3年)が右前打で出ると、バントと暴投で三塁まで進む。愛知啓成ベンチは1番加藤 蓮外野手(3年)を申告敬遠するが、続く大森 瑛斗内野手(3年)が三塁線を破る安打で均衡を破る。2死となったところで愛知啓成の中村好治監督は、準々決勝で好リリーフした鳴海 虎太郎投手(3年)を送ったが、初球で死球を与えると、1球で左腕の鈴木 章一郎投手(2年)に交代した。しかし、鈴木も石見に四球を与えてしまい押し出し。ここで4人目として小島 伶央投手(3年)に交代する。「東がつかまったら、最後には小島で行くことは選手たちも納得していた」と言うように、小島が何とか抑えたが、試合展開からしても大きな2点が入った。

 ところが、愛知啓成も粘った。その裏、先頭の6番稲吉 賢信内野手(3年)が中前打し、バントで進めると、飯盛 麻都捕手(3年)も左前打で繋いで一、三塁。ここで9番は代打に、「本当に、真面目でよく練習する子で、監督としてはどこかで使いたくなる選手」(中村監督)という木村 塁内野手(3年)が起用されたが、木村とベンチの思いを乗せた一振りは左中間を抜けていき2点同点二塁打となった。

 7回の攻防でお互いが2点ずつ取り合って勝負は終盤となった8回、愛工大名電は四球と内野安打で無死一、三塁として9番藤山 航平捕手(3年)。「無茶振りしたり、大振りしないでコンパクトに振って行け」という倉野監督の指示を受けて打席に向かったが、この打球が左翼芝生席に飛び込む3ランとなって、愛工大名電が再び突き放した。ベンチも応援スタンドも大いにはじけて盛り上がっていた。さすがにこの3点は、愛知啓成にとっては重すぎる3点となった。

 結局、愛工大名電が有馬の好投もあって、そのまま逃げ切った。

 倉野監督は、「今までは比較的苦しまずに勝ててきていたけれども、ここからは厳しい試合になるとは思っていたので、想定通りでした。そんな中で、こういう厳しい展開をしっかり勝てていかれたということは今後にもつながる」と、先を見据えた。そして、有馬に関しては、「今日は、途中からどこかで投げられればいいかなと思っていたので、先発した山田と岩瀬が上手く繋いでくれて、出しやすいところで有馬を起用できた」と、投手起用に関しては余裕を見せていた。

 愛知啓成の中村監督は、「ここまでの接戦に持ち込めたことは、守りで崩れなかったから」と、守りの野球を徹底できたことを今大会の成果としていた。そして、このチームに関しては、「大人しい子たちが多くて、勝負事には向かないかなという感じだったんですけれども、ガッツというか気持ちの強さを出していかれるようになって、私も指導しながら、ここまで変れるものなんだと感心しました。普段の練習をしてきたことを出し切ってくれた。いいチームだった」と、評価していた。

(取材=手束 仁)