「防御率0.00」トリオが好投!全日本選手権4強の東日本国際大が神宮まであと1勝

先発した東日本国際大・早坂一希

<第14回東北地区大学野球代表決定戦:東日本国際大5−2東北福祉大>◇29日◇1回戦◇仙台市民

 4校で明治神宮大会の出場権を争う東北地区大学野球代表決定戦が幕を開けた。初日の第1試合では、今年の全日本大学野球選手権で4強入りした東日本国際大(南東北大学野球連盟優勝)と全国大会常連の東北福祉大(仙台六大学野球連盟準優勝)が対戦。試合は中盤まで手に汗握る展開となったが、東日本国際大が1対1の7回に3連打をきっかけに3点を奪い、そのまま逃げ切り接戦を制した。

 東日本国際大は、「防御率0.00トリオ」のリレーで強力打線を抑え込んだ。今秋のリーグ戦では、先発した早坂 一希投手(3年=一関学院)は5試合16.2回、2番手の海野 京士郎投手(4年=霞ヶ浦)は8試合13.2回、3番手の竹田 葵投手(4年=山形城北)は9試合25回を投げ、いずれも防御率0.00。チームを優勝に導いた3投手がこの大一番でも本領を発揮した。

 140キロ台の直球を連発する左腕・早坂は初回の先頭打者に四球を与えるなど球が荒れ気味だったが、走者を出しても踏ん張り3回まで0に抑える。4回に1死一塁から一塁走者・杉澤 龍外野手(4年=東北、オリックス4位指名)に二盗、三盗を決められたのち、5番・大井 光来捕手(3年=鶴岡東)に右前適時打を浴びマウンドを降りたが、奪った10アウト中6アウトがフライアウトと、的を絞らせない投球を披露した。

 先制され、なおも1死二塁で救援した海野は、ピンチで登板することの多かったリーグ戦同様、平常心を保ってマウンドに立っていた。迎える打者はソフトバンクから3位指名を受けた左の大砲・甲斐 生海外野手(4年=九州国際大付)。浮き足立ってもおかしくない状況だが、海野は「ドラフトにかかるような選手とあの距離で駆け引きができることを楽しみにしていた。最初から対戦の機会が回ってきて嬉しかった」とこの場面を振り返る。

 物怖じすることなく直球で内角を攻め続け、空振り3つを奪い三振。続く打者は申告敬遠で歩かせたが、2死から島袋 皓平内野手(2年=沖縄尚学)を今度は外の変化球で空振り三振に仕留め、追加点を与えなかった。海野自身が「メンタル面の成長が大きかった」と分析する大学ラストシーズンを象徴する投球だった。

 打線は先制された直後に上崎 彰吾外野手(4年=青森山田)の適時打で追いつき、7回には打川 和輝内野手(4年=金足農)、上崎、佐藤 紅琉内野手(1年=明秀日立)の3連打を機に、内野ゴロと暴投の間の得点で3点を勝ち越し。好投を続けていた東北福祉大先発・後藤 凌寿投手(3年=四日市商)を攻略すると、8回にも1点を加えた。

 6回から継投した竹田も圧巻の投球。「調子自体は良くなかったけど、悔いを残したくないのでとにかく気持ちで投げた」と話すように、力のある直球を主体とした投球で4回1失点にまとめた。

 竹田は全日本選手権の4強入りにも貢献しており、「春はもう少しのところまで行けたので、なんとしても優勝するためにもう一回神宮に帰りたい」と意気込む。一方の海野は全日本選手権では登板がなく、その悔しさを糧に一から練習に取り組んできた。大学卒業後は軟式野球に転向する予定ということもあり、「最後に神宮のマウンドで投げたい」と力を込めた。神宮の舞台までは「あと1勝」だ。

(取材=川浪 康太郎)