【ニューヨークからお届けします】

 オリンピック是非論が白熱する中、日本のワクチン接種の遅れに関して、米メディアでも報道が増えています。

 現在、世界で最もワクチン接種率が高いのはイギリスで、1度でも摂取した人は人口の半分。それに次ぐアメリカも4割に迫っています。ところが日本はまだ1%にとどまっており、ほかのG7諸国に大きく引き離されている状況です。

 ブルームバーグは、ワクチンの遅れによるビジネスの伸び悩みや、感染への恐れから買い物客の足が遠のくなどの影響で、日本の今後の経済復興には他の先進国と比べ2年近く長くかかるのではないかと指摘。世界第3位の経済大国・日本の将来への懸念を表明しています。

 ナショナル・パブリック・ラジオでは、日本でファイザー製ワクチンの認可に時間がかかったのは、国民からのワクチンへの懐疑的な声を政府が避けるためであり、強く接種を打ち出せないのは、過去にワクチン問題の訴訟で負けたからという専門家のコメントを伝えています。

 また、ワクチンを海外からの輸入に頼っていることも遅れの理由のひとつとして挙げられていますが、そもそも科学とテクノロジーの国として知られる日本に国産のワクチンがないことが、意外に受け止められているようです。

 さらに、東京を中心とした感染の第4波がいつ収束するのか、また国民の大多数がワクチン接種できるのがいつになるのかメドが立っていないと、複数のメディアが報道しています。

 日本人の7割が今年の東京五輪開催に反対していることも知られ始めています。CNN電子版によれば、入国する選手に優先的にワクチン接種すべきという声もあったが、国民の反対で実現せず結局接種を推奨するにとどまったこと。選手がワクチンを受けていなければ、多くのボランティアが感染リスクにさらされると批判する専門家の声があったことも伝えています。

(シェリー めぐみ/ジャーナリスト、テレビ・ラジオディレクター)