画像は2018年3月、プロ野球開幕を前にマツダスタジアムで行われたプロアマ交流戦から。中央にカープの緒方孝市監督(当時)とかつてのカープの四番、三菱広島の町田公二郎監督

 

三菱重工業は3月19日、社会人野球の三菱日立パワーシステムズ(MHPS、横浜市)、三菱重工名古屋(名古屋市)、三菱重工神戸・高砂(神戸市・高砂市)、三菱重工広島(広島市)の4チームを2021年シーズンから2チームに再編すると発表した。 

チーム強化の一環で、新チームは横浜市と神戸市・兵庫県高砂市を拠点にするという。2チームの名称は未定。 

表向きはそうでも「再編」は強化というより本業における相対的地位の低下がその主たる要因だろう。広島県内では先ごろ、鉄鋼国内最大手の日本製鉄が2基の高炉がある呉製鉄所の閉鎖を発表したばかり。戦後日本を支えてきた重厚長大産業は生き残りを懸けた大胆な構造転換を迫られている。

三菱重工では野球部の大幅な規模縮小は考えていないとする。だが、統合対象の名古屋と広島については選手らは”進路の変更”を余儀なくされる。希望を聞いた上で新チームに所属させるという。

戦後すぐの1946年創部の三菱重工広島は、都市対抗に16回出場し、79年の第50回大会で初出場優勝した。この時、指揮を執ったのが迫田守昭氏。現在の新庄高校の監督だ。

長らく広島社会人野球の中心にいた同部がなくなる、というのは広島野球の相対的地位の低下にも繋がる可能性がある。

1999年には、NTTグループの再編に伴い同年1月にやはりNTT東京硬式野球部をNTT東日本硬式野球部に、NTT関西硬式野球部をNTT西日本硬式野球部に改称してNTT西日本のエリアにあるNTT東海、NTT北陸、NTT中国、NTT四国、NTT九州を統合した。この時以来の”衝撃”と言っていい。

現在、カープで指揮を執る佐々岡真司監督はNTT中国出身だが、古巣は2003年にクラブチームとしての活動も終え解散している。

プロアマ交流が進む広島でも社会人野球チーム選抜とカープが節目節目で対戦して、その中心に三菱重工広島ナインもいた。だが、そんな光景ももう見られなくなる。

今回の一件は、地方での社会人野球のスケールが確実に萎みつつあることをまたしても証明したかっこうだ。

広島の社会人野球は旧広島市民球場時代は同球場を中心に展開されていた。

しかしマツダスタジアム完成以降は”締め出し”を食らったかっこうになっている。現在の社会人の活動拠点は東広島市。このままではどんどん社会人野球と広島市の関係が薄れていく。高校野球も含めてアマチュア野球など広島スポーツのマツダスタジアム使用料は低く抑えていかないと、それでなくても野球人口は減少の一途…

マツダスタジアムは指定管理制度の下、広島東洋カープによって管理・運営されている。同球団を監督する立場の広島市のアマチュア野球に対する姿勢には積極性が見られない。関係者による早急な対応が期待される。

ひろスタ特命取材班