画像はアンジュヴィオレ広島の印刷物、サンフレッチェ広島との関係を強調するがそれより何よりまず寄附金問題ではないか?

 

 

存続活動が活発化しているアンジュヴィオレ広島では9月27日、広島市西区の横川駅前で応援イベントを開催した。樽募金では179,641円の支援が集まった。

一連の活動の中で用意された印刷物には以下のような記述がある。

・サンフレッチェ広島との話し合いでサンフレッチェ広島がプロリーグにエントリーしないということからアンジュヴィオレ広島単独でのプロリーグ参加を検討

・プロリーグ参入には、これまで地域で支えてきた予算では運営が困難となり、その後、サンフレッチェ広島が参加を表明したためサンフレッチェ広島と連携して広島からプロチームを出す形にシフト

 

 

 

一方でサンフレッチェ広島は次のように話している。

・アンジュヴィオレ広島さんから、自分たちの資金力や組織力を考えると女子プロサッカーリーグの参入に手を上げるるのは難しいので、アンジュヴィオレ広島がこれまで頑張ってきた広島の女子サッカーを盛り上げようという活動を途絶えさせないためにも、サンフレッチェ広島に手を上げて欲しいと話があった。その段階ではサンフレッチェ広島としては、女子プロサッカーリーグへの参入は考えていないとお答えした。

・女子プロサッカーリーグの話が具体化する中でサンフレッチェ広島としても様々なことを考えた上で、女子プロリーグ参入に手を上げることを決め、それをアンジュヴィオレ広島さんにお伝えした。その際にはアンジュヴィオレ広島さんは、これまで自分たちがやってきたことが無駄にならず、広島の女子サッカーが途絶えずに済んだ、と喜んでおられた。

・アンジュヴィオレ広島さんは女子プロリーグ発足の構想が持ち上がった段階において、女子プロリーグが発足するとなでしこリーグ自体の運営予算が減らされ、参加クラブの負担額が増えることから財政的に対応が難しいことや、アンジュヴィオレ広島を運営する側の高齢化により体力的にも厳しいことから、サンフレッチェ広島が女子プロリーグ参入に手を上げても、手を上げなくても、これを機にアンジュヴィオレ広島の活動をやめようという話が内部であったと言われた。

 

……

よって両者の話す、あるいは書き記す内容は根本的に違っている。

アンジュヴィオレ広島側の言う「単独でのプロリーグ参加を検討」について、ではどの時点でどれだけの範囲の関係者で「検討」したのか?

アンジュヴィオレ広島を運営するNPO法人 広島横川スポーツ・カルチャークラブでは毎年6月に総会を開きその活動について協議しているが、関係者によると「そのレベルでは過去、一度もアンジュヴィオレ広島のプロリーグ参加の話が議題に上がったことはない」と言い切っている。

そして9月5日に開催された臨時総会の場では「このままの10月末までに支援企業やスポンサー資金の目処がたたない場合は、アンジュヴィオレ広島は存続すること断念することが決議されました」(アンジュヴィオレ広島のHPにアップしてある内容をそのまま引用)となった。

…ということは一部の関係者だけで「検討」したとしか考えようがない。

言うまでもなくひろスポ!は、ニュートラルな立場でこの件を報じている。過去、ひろスポ!がアップしたアンジュヴィオレ広島とサンフレッチェ広島の全記事を見ていけばそれは一目瞭然だろう。

 

ひろスポ!が「アンジュヴィオレ広島が12月に解散」(同じくアンジュヴィオレ広島HP引用)とネットにアップした、とアンジュヴィオレ広島のHPにはあるが、正確にはひろスポ!の見出しは次のようなものだ。

広島女子サッカーの星!WEリーグ断念のアンジュヴィオレ広島、運営資金集まらなければ衝撃の12月解散決定…

以上、まさにその事実を報じたまで、である。

前回も触れたがNPO法人 広島横川スポーツ・カルチャークラブとしてアンジュヴィオレ広島をどうしていきたいのか?という話と、今盛んに言われているアンジュヴィオレ広島の存続活動は別の流れであると理解するしかない。

……

時系列で見ていけば、2019年末に大量の退団者を出したアンジュヴィオレ広島はHPでその事後説明に追われ、7月4日に中国新聞が「サンフレッチェ広島はアンジュヴィオレ広島との連携も検討したが単独でチームを作ることを選んだ」と報じた時もやはりその事後対応に追われた。

要するに防戦一方…

その姿勢が急に変わったのは9月18日付の中国新聞に「アンジュ存続へ奔走」の記事が出る前後からだ。

ただし、この記事に事実と異なる部分があることはすでに前回も触れた。実際、同NPO法人について詳しいある関係者が中国新聞に「記事は裏を取ってある事実なのか?」という問い合わせをして担当記者への直接の確認も要求している。

しかし中国新聞では担当記者からの説明という形は取らず、しかも記事内容についての明確な回答もしなかった、という。

いずれはこの関係者からも話を聞くことになるだろう。

9月18日付の中国新聞の記事に”こだわる”のはアンジュヴィオレ広島のHPに「中国新聞に掲載のあった内容につきましては、記者の方がクラブに取材をいただいたものです。 詳細は中国新聞をご覧ください。」(同じくアンジュヴィオレ広島HP引用)と明記してあるからだ。

その記事内容は全部正しいと誰が言い切れるのか?そういう意味ではこの記事もそうではあるが…

最後にアンジュヴィオレ広島のHPにも中国新聞の記事にも出ていない決定的な事実を記す。

ひろスポ!ではすでに触れてきたがさらに明確な数字を紹介する。アンジュヴィオレ広島に対する寄附金額の推移について、だ。

……

同法人の2016年活動計算書(16年4月1日から17年3月31日まで)には受取寄附金26,609,888とある。経常収益合計は106,528,190

要するに入ってくるお金のうち4分の1が寄附金だ。

ところが19年の活動計算書ではそれぞれ14,069,210と109,458,623になり、
さらに20年の活動計算書ではぞれぞれ2,000,000と75,620,000に激減している。

2700万円近くあった寄附金がわずか200万円になり、それがそのまま収入減に直結。アンジュヴィオレ広島の言う「地域で支えてきた予算」の中で寄附金の占める割合は非常に大きい。

だがコロナ直撃の企業なら寄附どころの話ではなくなる。

しかも20年の活動計算書では当期経常増減額がハナからおよそ1800万円のマイナスとなっている。この大幅なダウンをいかにして補うか?それが存続活動のポイントなのだろうが、今後、なでしこリーグ参加への経費増大を考えればさらに多額の資金が必要になる。

よってNPO法人としては、最初からWEリーグ参加は無理だと判断していたと考える方が話の辻褄が合う。まさに「サンフレッチェ広島が女子プロリーグ参入に手を上げても、手を上げなくても、これを機にアンジュヴィオレ広島の活動をやめようという話が内部であったと言われた。」とのサンフレッチェ広島の”証言”通りの数字がそこには存在する。

もうプロ化を前提とした話には対応できない状況が、7月の最初の中国新聞報道の前にはっきりしていたのではないか?

頼みの寄附金が大幅に減額された時点で、同NPO法人としてはアンジュヴィオレ広島の運営からは手を引くことが”本流”となり、ゆえにサンフレッチェ広島との「連携」によるソフトランディングを目指したということになるだろう。

また、この寄附金大幅減の事実をスルーしたままでは、アンジュヴィオレ広島の現状と今後についての客観的な報道は難しい。もちろん同NPO法人とアンジュヴィオレ広島も、寄附金大減額の問題を広く関係者共通の認識としてとらえておかないと存続活動もやがて行き詰まることになりかねない。



ひろスポ!には9月21日に以下のメールが届いた。

サンフレはWEリーグ参入申請を提出した8月1日付の中国新聞に「アンジュヴィオレ広島の志を引き継ぎ、協力したい」ってわざわざコメントだしてましたけど?事実関係に誤りが多すぎ。

この方には、同NPO法人の関係者に事実確認してみてはどうですか?と返信メールで進言させていただいた。「事実関係に誤り多すぎ」はどこの誰なのかをはっきりさせる必要がある。(ひろスタ特命取材班&田辺一球)