画像はマツダスタジアムでインタビューに応じるマクブルーム(その奥は遠藤)、交流戦期間中は3度しかお立ち台が出なかった

 

 

ネット上で佐々岡真司監督が叩かれている。現場の責任者は口下手。ファンは相当誤解しているようだ。うまく情報発信できないのは損だ。

 

だが、カープファンなら気付いているはずだ。

 

交流戦が始まった記念すべき2005年、広島は11勝24敗1分け(36試合制)で11位に終わった。

 

しかし最下位は新球団楽天で11勝25敗。実質上の最下位は広島だった。

 

この年、山本浩二監督は、エース黒田、主砲新井を擁しながらシーズンを最下位で終えた。

 

2006年から2009年まで指揮したマーティ・ブラウン監督も2年目の2007年に最下位に沈んだ。

 


それだけじゃない。

 

2010年から2014年までの5年間で野村謙二郎監督は2度も最下位になった。先ごろ、広島大学のスポーツセンター客員教授に就任した野村氏は学生相手に座談会などを行ったが、交流戦惨敗の要因を“研究”して、カープファンもいるであろう学生に発表してもらった方がいい。

 

驚くべきは2016年から18年までリーグ3連覇した緒方孝市監督ですら、最終年の5年目にやはり最下位になっていることだ。この話には“後日談”があって、同一リーグ戦再開からほどなくして緒方監督による野間外野手への「掌底打事件」が発生している。それほど交流戦で受けた“パンチ”がボディブローのように効いている、ということになる。

 

要するに「カープの監督はみんな交流戦最下位になっている」という動かしがたい事実がある。


 

ネット上では先ごろ「続投」が発表されたヤクルト高津臣吾監督がもし「カープの監督なら…」という声もあるが、それも違う。

 

そう、誰がやっても交流戦最下位。繰り返しになるが、佐々岡監督だけじゃない。

 

では誰が悪いのか?

 

もちろん力不足の選手個々の責任は重大だ。しかし選手も監督も世代交代する。


 

そう変わらないのは広島球団トップの松田元オーナーとその下でチーム強化部門を統括する責任者。

 

ただ、実は広島球団はこの強化部門の責任の所在がはっきりしない組織になっている。

 

詳細はまた別の機会に譲るが、短期決戦の交流戦で…

 

・情報を集め

・情報を分析して

・情報を選手に効果的に伝え

・交流戦期間中に修正を加え

・確実に結果(得点力、防御力、勝率)を出す

 

…というサイクルが確立されていない。


 

一例を挙げると交流戦を今回制したヤクルトには、チーフスコアラー(マネージャー兼務)の下にスコアラーが5人、アナリストが3人配置されている。また、スコアラー兼任打撃投手が4人いる。

 

以上の情報はスポニチプロ野球選手名鑑からの引用だ。

 

広島のページを見ると、スコアラーの項目がない。不思議な球団である。なぜ、載せないか?それにはそれなりの「載せられない理由」がある。


広島球団ではチーム強化担当者がいつの間にか退団したり、配置展開になったり、ということがよく起こる。


スポニチ名鑑には”痛い腹”を探られることになる。

 


地元中国新聞が6月14日付と15日付紙面で「カープ大失速交流戦総括」を掲載していた。

 

それを読んだ広島OB木下富雄さんは広島ホームテレビ夕方ワイド「5UP」の中で、やるのは選手、と佐々岡監督を擁護していた?

 

中国新聞「総括」には「ここぞの勝負手必要」と首脳陣に攻めの采配を求めている。だが、戦場で砲弾が無ければ戦えないのと一緒。切るカードがないからほとんどスタメン野手9人で戦うハメになる。

 

考えたらすぐわかることだ。

 

1年前までの三番と四番がともにいなくなった打線はしょぼい。いくらなんでも18試合も戦ってホームラン2本はないだろう。1試合平均得点は今回2点に届かなかった。これじゃセ・リーグではなくてJリーグ…。カタールW杯に向け、得点力不足だと叩かれている森保ジャパンより重症だ。


 

スタジアムで独自にビデオ撮影して分析するには人出も経費もかかる。それを省いてテレビ観戦で「傾向と対策」を探ってばかりいては、いつまでたっても、誰が監督をやっても最下位コース…

 

中国新聞総括では「相手情報活用に課題」とこの部分にも切り込もうとした様子はうかがえる。その中で5人の先乗りスコアラーがパの試合を視察して選手に情報を渡すのは「セ・リーグの対戦時と変わらなかった」と紹介してあったが、全員が全員「先乗り」してはいないし、セの時と一緒じゃダメなのだ。

 

セ・リーグ相手ならすでに球筋も初球ストライクなら次に何が来るか?など「傾向と対策」はつかめている。

 

パ・リーグ相手にはそれがない。だから、交流戦ならではの高い情報処理能力が必要になる。そうでないと経験の浅い若手らは消化不良になり、すぐに打てなくなる。(実際に中村奨成や小園海斗は交流戦が進むにつれ打てなくなった)

 

以下、広島の凄まじい交流戦最下位の歴史を並べておく。

 

なお、ひろスポ!が最も記憶に残っているのは2010年6月7日、福山市民球場であったオリックス戦。オリックス5本塁打など25安打、21点、広島2本塁打含む18安打、10点。オリックスは六回一死から10者連続安打…指揮官は野村監督…

 

 

広島交流戦最下位( )内は1試合平均

 

2007年 ブラウン監督 
5勝18敗1分け(24試合制)、67得点(2・8点)134失点(5・9点)得失点差−67
黒田、大竹らが先発、中軸は新井、栗原、前田智ら


2011年 野村監督 
6勝16敗2分け(24試合制)、46得点(1・9点)102失点(4・3点)得失点差−56
前田健、福井、篠田らが先発、打は栗原に加えて丸も台頭

 

2015年 野村監督 
9勝15敗(24試合制)、85得点(3・5点)123失点(5・1点)得失点差−38
本塁打王エルドレッドを核にして丸、菊池涼、大エース前田健軸に大瀬良新人王

 

2019年 緒方監督 
5勝12敗1分け(18試合制以下同)、59得点(3・2点)84失点(4・7点)得失点差−25
鈴木誠首位打者で引っ張る、バティスタの一発も強烈、大瀬良、ジョンソン、床田、九里と先発豊富

 

2021年 佐々岡監督 
3勝12敗3分け、60得点(3・3点)96失点(5・3点)得失点差−36
交流戦前にマツダスタジアムクラスター発生で、戦える状況に非ず

 

2022年 佐々岡監督 
5勝13敗、33得点(1・8点)83失点(4・6点)得失点差−50
大瀬良と森下で5戦5敗、三番西川離脱


※さらに詳しい情報は、2000年10月よりカープをウオッチングし続けている(一日も休まず更新中)携帯サイト「田辺一球広島魂」でご覧ください…「田辺一球」「スマホ」で検索