画像は広島新庄の宇多村聡監督

 

第104回全国高校野球選手権広島大会第6日(7月16日)

 

2回戦8試合が4球場で開催された。

 

バルコムBMW野球場
海田4x−3大竹(延長十一回)
五日市11−1尾道北(七回コールド)

三次運動公園野球場
広陵4x―3広島新庄
可部14−12府中

エブリイ福山市民球場
尾道東2−1加茂
福山工3−1井口

鶴岡一人記念球場
市立呉6−0修道
広4−1基町

 

★海田劇的サヨナラホームラン!


海田が延長十一回、途中出場した吉田淳之助(1年)のサヨラナホームランで熱戦に終止符を打った。飛距離の出にくいカーブを引っ張る見事な一撃だった。

試合は緊迫した展開になった。海田が初回に1点を先制したが二回に同点となり、八回に1点勝ち越したあと九回、またすぐに追いつかれた。

延長十回には守りに定評のある吉田淳之助の悪送球絡みで先に1点を取られたが、その裏追いつく粘り腰。海田は1回戦の広島市工戦でも1対3の八回に7点を奪って試合を決めており、その勝負強さで第3シードの大竹も押し切ったかっこう。

シード勢では第2シードの市立呉は修道に6対0で勝ち、第3シードの広は基町に4対1で勝った。

可部と府中は点の取り合いになったが、7対11で迎えた八回、可部は7点を奪うとその裏の府中の反撃を1点に抑え、14対12で打ち勝った。

 

★主導権握りかけた広島新庄、広陵は内海優太のソロで反撃のノロシ


2回戦屈指の好カード、昨夏優勝の広島新庄と、今春のセンバツで甲子園の土を踏み春の中国大会でも準優勝した広陵の激突は予想に違わぬ激戦になった。

 

結果的には延長十回、広陵が途中出場、松田啓杜(3年)のサヨナラ打で3時間近い戦いを制したが、広島新庄サイドで振り返ってみると…

 

広島新庄はワンプレーをきっかけに3点を先制する理想的な展開になった。

 

広陵の先発は「スーパー1年生」高尾響(1年)。140キロ台の真っ直ぐとスライダーで背番号1に相応しい力の投球をする右腕を相手にいかに点を奪うか…

 

0対0の三回、ヒットと送りバントで一死二塁として打席は九番岡田悠雅主将(3年)。ボールカウント1−2となって高尾響が決めにきた真っすぐがその顔面付近を襲いデッドボール。臨時代走で試合は再開されたが、一番森本陸斗(3年)はストレートの四球で出塁。

 

続く林亮輔(3年)の右前打で1点奪うと、三番空本脩吾(2年)も左越え二塁打して2点追加。なおも一死二、三塁で空本脩吾とともに昨夏、甲子園を経験した四番河野優輝(2年)に回った。

 

高尾響が死球の影響で球筋を乱していたのは明らかで、河野優輝はゾーンを絞り込んで外野フライでOKのケース。しかし結果はフルカウントからおそらくボール球を追いかけての空振り三振。そのあと満塁になったが4点目を奪い損ねた。

 

広島新庄先発は100キロを切るカーブが武器の左腕、平井智基(3年)。初回は高校通算31ホーマーの三番内海優太(3年)を浮き上がる球で空振り三振に、二回は「ボンズ」こと四番真鍋慧を大きなライトフライに打ち取った。

 

左バッターも右バッターも引っ張ってくれていればほぼ広島新庄バッテリーペース…しかし四回、先頭の内海優太に完璧に引っ張られて右翼越えにソロを許したことで勝手が違ってきた。

 

一死から死球を与えたあと二盗とキャッチャー吉田慎平(2年)の送球エラーで三進を許し、二死から適時打されて3対2、リードは1点に。

 

続く五回、二番手で山口大斗(3年)をマウンドに送ったが、一死二塁で内海優太を迎えた時、今度は投球がショートバウンドになってバックネット前まで転がる間に同点に追いつかれた。

 

劣勢となりかけたところでの内海優太絡みの3得点は広陵にしてみれば願ったりかなったり。広島新庄としてはなるべくリードを保って強力打線にプレッシャーをかけたいところだったのだが…

 

試合が振り出しに戻ったあと三番手での出番となった広島新庄エースナンバー中村太人(3年)。内外角に力のある真っすぐを投げ分けて六番、七、八回とスコアボードにゼロを並べた。

 

ただ、広島新庄打線も広陵二番手左腕の中谷悠太(3年)の前に四回から七回まで四球の走者ひとりを出したのみ。八回、一死から空本脩吾がやっと初ヒットを放ったが河野優輝の捉えた打球がセカンドライナーゲッツーになった。

 

中村太人は九回も続投。先頭の大山陽生(3年)はファウルを打ったあと打席に座り込み、熱中症の症状に。水分補給などで試合再開となったが遊ゴロアウトのあと自力では歩けず仲間に背負われてベンチに下がった。

 

試合再開。広陵九番中谷悠太のショート内野安打と一番田上夏衣(2年)の右前打で一死一、二塁。さすがに中村太人の球威も徐々に落ちていたのかもしれない。

 

ここで二塁走者の中谷悠太にも熱中症の症状が出てまた試合中断。背負われての退場二人目となり代走起用で再開。広陵は甲子園経験者の背戸川内晴哉を代打に起用して勝負をかけてきた。

 

結果は一ゴロで二死二、三塁となり、打席に内海優太…で、勝負を避けて満塁策。そして真鍋慧とはまさに真っ向勝負になった。ストライク、ファウル、ボール、ボールの2−2から真っすぐファウル、外角球ボールでフルカウント…

 

最後は渾身のストレート、打球はセカンド正面へ…

 

延長十回、広陵はセンバツ右腕の森山陽一朗をマウンドに送り込んできた。悔しさを発散するように吠えながら投げる右腕に対して二死から代打棚田蒼(3年)が左前打。次打者林亮輔のボールカウントが2−2となったあとの5球目で二盗を狙ったがタッチアウト…広陵の捕手は熱中症の症状で無念の交代となった大山陽生から背番号5の松田啓杜に替わっていた。

 

その裏、時計の針が午後0時52分を指して、いよいよ決着の時。

 

広陵打線は五番からで内海・真鍋の三番・四番とは対戦しないで済むイニング。ここをしのげば、のはずがヒット、バント、ヒットであっという間に一死一、三塁になり、そして1ストライクから投じた2球目を左前に弾き返された。

 

打たれた中川太人は春の県大会2回戦の広陵戦で先発して終盤に失点した。リベンジを誓い、左腕エースとして毎回、全力投球。延長戦でボール球をうまく交えるだけの余力はもう残っていなかっただろう。

 

ノーシードからの大会連覇を狙った広島新庄が放ったヒットは6本。14本の広陵とがっぷり四つに組むのではなく、うまくいなす展開に持っていくためにはどこで、どういう策を取り、どう攻めれば良かったのか?両校ベンチには1・2年生選手が多数、入っている。次回、対戦で勝つのはどちらか…(広島スポーツ100年取材班&田辺一球)

 

広島大会試合方法

※大会は8会場で行われ、決勝は7月26日(火)午前10時から、ぶんちゃんしまなみ球場で。
※コールドは五回以降10点差、七回以降7点差
※延長は十二回まで、延長十三回以降はタイブレーク採用
※天候などで試合が途中打ち切りになれば翌日以降に勝敗を決するまで継続試合をする
※照明施設があればナイトゲームを行うことがある
※日程変更があれば球場変更もありえる
※ひとりの投手の球数は一週間500球以内

 

シード校
第1シード…広陵、崇徳
第2シード…呉港、市立呉
第3シード…大竹、広、三原、尾道

連合チーム
上下と向原と加計