俳優で歌手のディーン・フジオカ(36)が16日、生まれ故郷の福島・須賀川市文化センターで初の凱旋ライブを行った。

 悲鳴交じりの大歓声に迎えられたディーンは「ただいま! 帰って参りました、福島。この日を楽しみにしていた」。県民が8割近くを占めた1000人を前に、約2時間で「Unchained Melody」「History Maker」など16曲を歌い上げた。15日に続く2日間の公演で地元を沸かせた。

 福島も甚大な被害を受けた東日本大震災は、インドネシアのジャカルタでレコーディング中、テレビで知った。「今もずっと、故郷のために何ができるのか、自問自答を続けてきた」。子供たちが希望を抱ける未来にしたい―。そのために企画したのが、地元の須賀川市立第一小・中学校の生徒との合唱だった。

 6月下旬、11年5月以来約6年ぶりに里帰りした。「僕自身、いろいろな失敗を経て学んできたことが、誰かの役に立ったり、子供たちの気付きのきっかけになればいい」。音楽指導に来たはずが、気が付けば、教壇で熱弁していた。この日のステージでは、震災時に制作した前向きに生きることの大切さを歌った「Priceless」、未来を照らすようなメッセージを込めた新曲「DoReMi」(発売未定)を、44人の生徒たちと歌った。

 物心がつく頃まで同市内で暮らし、千葉に移り住んだ後は夏休み、冬休みのたびに帰省した。「川で釣りをしたり、山でスキーをしたり」という思い出の詰まった場所で懐かしい空気に触れ「今後の活動の原動力、頑張っていこうという力をもらえた。思っていた以上に意味のあることだった。大きなインスピレーションをもらった」。客席からは今も市内に暮らす祖母が熱い視線を送った。「これからも福島との関わりを途絶えさせないように努力したい」と継続的な支援を誓った。

 ◆ディーン・フジオカ 本名非公表。1980年8月19日、福島県生まれ。36歳。米国留学を経て日本では13年、映画「I am Ichihashi〜逮捕されるまで〜」に初監督、主演。15年NHK連続テレビ小説「あさが来た」の五代友厚役でブレイクした。12年に中国系インドネシア人女性と国際結婚し、子供は双子(1男1女)含む3人。「ディーン」は、米留学中にホスト先の父親に命名されたニックネーム。身長180センチ。血液型A。