ロッテ、中日で活躍した愛甲猛氏(54)が17日放送のTBS系「壮絶人生ドキュメント プロ野球選手の妻たち」(月曜・後7時)に佐知子夫人とともに出演した。番組では出会い、結婚、選手としての絶頂、引退そして失踪騒動を振り返りながら、常に献身的にサポートし続けた夫人にスポットを当てた。

 夫妻が出会ったのは35年前。電車内で酔っ払いに絡まれていた女性を、愛甲氏が助けたのがきっかけだった。愛甲氏が守ってあげた女性が、夫人だったという。車内で連絡先を交換し、半年後に女性が改めてお礼の電話をかけて交際に発展。その後結婚した。

 現役中は、食事面や健康面でサポートしたが、成績が低下しはじめたある日、夫人が目撃したのが愛甲氏が「サプリメント」を飲む姿。そのサプリこそが筋肉増強剤(現在のプロ野球では禁止されている)だった。

 愛甲氏は筋肉増強剤の副作用で引退後に緊急入院して生死をさまよった。球界から距離を置かれるようになり、ついには失踪騒動まで起きた。

 奮起して健康食品会社の営業に就職したものの退社。「有名人だから仕事もらえると思うなよ」などと言われたこともあったという。それでも夫人は「夫婦ですから助けたり、助けられたり」と夫を支え続け、週5回パートに出て家計を助けた。

 そんなある日、愛甲氏に雑誌から野球コラム執筆の依頼が届いた。ギャラは決してよくなかったというが「俺やっぱり野球が好きだ。野球の仕事がしたい」と引き受けた。すると評判を呼び、ネット中継など野球関係の仕事が増えてきたという。

 そんな夫を見つめる夫人は「黙って主人の行く道に。やりたいこと、したいことそれにしっかりついていければ」。愛甲氏は現在、バッティングセンターでちびっ子たちに野球指導も行っている。「この子たちが甲子園で活躍してくれて、解説できるのが夢」とうれしそうに語っていた。

 番組では最後に愛甲氏が結婚30年で初めて書いたという夫人への手紙を朗読。これまでの支えを感謝する内容に、車内で出会って35年になる夫人は涙ぐんでいた。

 テレビで放送されたこともあり反響は大きく、母校・横浜高校で指導を受けた前監督の渡辺元智氏から「番組観たぞ。感動したよ」と電話があったことを自身のツイッターで明かした。「思わず正座してしまった。でも有難い。マジに嬉しい」と思いをつづっていた。愛甲氏は渡辺氏の指導を受け、1980年夏の甲子園で全国制覇を達成していた。