5月に発売したシングル「お義父さん」が各所で話題を呼んでいる、はなわ(41)。昨年3月、夫人の誕生日のサプライズプレゼントで作った楽曲を、今年3月にYouTubeで公開すると「泣ける!」と大反響。CD化され、03年の「佐賀県」以来の大ヒットとなっている。「芸人やっときながら、ずっと紅白を夢に掲げてました。もう一度、あの場所に立ちたい」と、14年ぶり2度目のNHK紅白歌合戦出場を誓った。

 その後、ライブで初披露すると、夫人と義父との意外なエピソードや、ラストの優しいメッセージに、はなわ自身が「こんなの初めて」と驚くほど、会場に観客のすすり泣く声が響いた。周囲の勧めで今年3月、ライブ映像をYouTubeで公開すると、視聴回数が20日間で100万回を突破した。「感動した」「泣ける」という反響を受け、急きょCD化が決まった。

 「『佐賀県』はCDになるまでに5〜6年歌っていたけど、この歌は1年しかたってなくて、CD化も全く考えてなかったんです。予測不能というか、自分でも驚きつつ、どこまで広がっていくのか楽しみ。歌のパワーってすごいなと改めて感じてます」

 「音楽を続けてなかったら、この曲は生まれてなかった。『佐賀県』でドーンといってから、人気が底の方まで落ちた時『芸人なんだから、音楽的要素はいらないんじゃない』という人もいた。でも、音楽は芸人としての自分にとって大きな武器だと思ってました。実は『佐賀県』も歌詞だけじゃなくて、コード進行とか音楽として評価された部分もあるんです。音楽を続けてよかったと改めて思います」

 「40歳を超えた今だからこそ歌える曲だと思います。若い頃は、真面目に歌うのは、芸人としてのプライドや照れみたいのがあった。でも今は、3人の子供のためにも必死で仕事しなきゃいけないし、プライドとか言ってる場合じゃない。芸人と呼ばれても、ミュージシャンと呼ばれても気にならない。唯一無二の存在でいたいとは常に思ってます」

 声をからしながら、全国のイベントで歌を届けているのは、大きな目標があるから。03年以来、14年ぶりのNHK紅白歌合戦出場だ。

 「前回はテツandトモさんとの合同出演でした。それはそれでいい思い出なんですけど、本当に後悔しているのが衣装。妙に考えすぎちゃって、はなわだから、埴輪(はにわ)でいいかなって、埴輪の格好をして出たんですけど、ものすごいすべって…。ちゃんと普通に出ればよかった。次は誠実に、ビシッて決めて出たいっていう夢があるんです」

 「嫁さんは腹が据わっていて、僕にあーだこーだ言ってこないですけど、嫁さん自身の話を曲にしてるんで、いろいろと言われてるとは思う。その嫁さんや義理のお母さんが『紅白に出られるといいね』と言ってくれる。皆さんをさらけ出した歌を歌った以上は、結果を出さなきゃな、と思ってます」

 実は昨年、この曲がきっかけとなり、夫人が末期がんの義父と会うことを決意。はなわとともに対面を果たし、義父は長男の柔道の試合の応援にも駆けつけた。義父は現在も闘病中だが「紅白に出場できて、見てもらえたら? そりゃもちろんうれしいです」。笑いを封印し、大みそかに全国へ歌声が届くことを心から願っている。(土屋 孝裕)

 ◆はなわ 本名・塙 尚輝(はなわ・なおき)1976年7月20日生まれ。佐賀出身。41歳。高校卒業後に上京し、専門学校在学中に現在の事務所に所属。99年NHK「爆笑オンエアバトル」に第1回から出演。01年に元ヤンキースの松井秀喜のモノマネを始め人気が上昇。03年に「佐賀県」でブレイク。トレードマークは角のような髪形。3人兄弟の次男で、お笑いコンビ・ナイツの塙宣之は実弟。血液型O。左利き。

 ◆長男は高校柔道佐賀大会優勝

 はなわには3人の男の子がおり、6年前、子育ての環境などを考え、都内から佐賀県に引っ越した。長男は今年6月、柔道の高校総体佐賀県大会100キロ超級で優勝。一家そろってテレビ出演することも多く、日本テレビ系「有吉ゼミ」(月曜・後7時)では「はなわ家 柔道三兄弟」と不定期で家族に密着した様子が放送されている。