1954年の大ヒット映画「ゴジラ」で怪獣ゴジラの着ぐるみの中に入って演じたスーツアクターの中島春雄(なかじま・はるお)さんが7日午後3時6分、肺炎のため死去した。88歳。山形県酒田市出身。葬儀・告別式は近親者で行う。喪主は長女・園恵(そのえ)さん。

 中島さんは三重の海軍航空隊や横浜の進駐軍トラック運転手などを経て、21歳で東宝の専属俳優として入社。「七人の侍」(黒澤明監督)でデビューした。「太平洋の鷲」で火だるまになりながら飛行機から降りてくるパイロット役が関係者の目に留まり、ゴジラに抜てきされた。

 初代ゴジラは身長3メートル、化学繊維、生ゴム、合成樹脂製。鉄製のゲタを履き、総重量は100キロ超。当時について、中島さんは「無我夢中だった。中は(気温)60度以上だった」と振り返っている。演技は1回11分が限界で、撮り終えると、体重は5キロ以上落ちたという。「ゴジラの逆襲」や「キングコング対ゴジラ」など12作品でゴジラ役を務めた。第一線を退いた後も、ゴジラを演じた俳優として海外でも知名度は高く、米ロサンゼルス市から栄誉賞を受けた。2012年には出身地の山形県酒田市からも酒田ふるさと栄誉賞を受賞した。著書に「怪獣人生 元祖ゴジラ俳優・中島春雄」がある。

 ◆中島 春雄(なかじま・はるお)1929年1月1日、山形県酒田市生まれ。横須賀海軍機械廠(しょう)養成所中退、予科練入り、姫路海軍航空基地で特攻隊員として待機中に終戦。50年、東宝入社。ゴジラではキングコングや熊やゾウの動きを研究した。「空の大怪獣ラドン」、「ウルトラQ」、「ウルトラマン」などにも出演した。43歳で現場を離れ、東宝関連会社などで勤務。