仙台東署は13日までに、阪神の元選手でスコアラーの山脇光治容疑者(55)を宮城県迷惑防止条例違反容疑のため現行犯逮捕した。12日午後4時過ぎに仙台市内の商業施設の仙台市内エスカレーターで25歳女性のスカート内をスマートフォンで盗撮した疑い。13日には、阪神の親会社である阪急阪神ホールディングス(HD)の定時株主総会が大阪市内で開かれ、角和夫代表取締役会長グループCEO(69)が冒頭で謝罪した。

 仙台東署などによると、事件は楽天の本拠地・楽天生命パークから徒歩で約15分ほどの商業施設で発生した。次戦の対戦相手を分析するために派遣される「先乗りスコアラー」として視察するはずだった12日の楽天・中日戦の試合開始まで、2時間を切った午後4時15分ごろに、施設内のエスカレーターで女性の悲鳴が上がった。

 逮捕の瞬間に立ち会った人物によると、エスカレーターを上がりきるころに女性が気づき、同伴者らしき男性と山脇容疑者が言い争いに。その後、エスカレーターを逆走して逃走したが、3人がかりで取り押さえられ、駆けつけた警察官に引き渡された。山脇容疑者は取り調べに対して「若くてきれいな人だったから後ろ姿を撮ろうとした。その時に風が吹いてスカートがめくれ上がった」と、容疑を否認している。

 くしくも13日は、阪急阪神HDの定時株主総会。冒頭で議長の角会長が「まず、皆さまにおわびしなければいけないことが起きました」と切り出し、「被害に遭われた方におわびします」と頭を下げた。西宮市内の球団事務所では揚塩球団社長が謝罪会見を開き、「今後事実関係が明らかになれば、対象者に対して厳正に処分してまいります」と厳しい処分を明言した。

 中日を分析する担当で、有能なスコアラーと評判だった山脇容疑者の逮捕にチームも重苦しい空気が漂った。12日の試合後、球団首脳から監督、コーチ、選手に逮捕の事実が告げられた。13日は日本ハム戦(札幌D)でナイターを行ったが、球団広報から同事件に対するユニホーム組の反応についての取材にはNGがかかった。15日からの楽天3連戦(楽天生命パーク)に関しては、代役スコアラーは配置せず、昨季まで楽天を担当した太田スコアラーがカバーすることになった。

 本来なら球場内にいるべき時間帯で起きた不祥事。揚塩社長は「(試合前の)練習を見るのが本来の姿と思う。その時間に球場にいなかったのは、球団としても管理ができていなかったと反省している。非常に信頼していただけに残念」と話した。

 ◆山脇 光治(やまわき・こうじ)1962年10月13日、兵庫県生まれ。55歳。大阪・浪商(現大体大浪商)で1979年春のセンバツに出場し、80年ドラフト外で阪神に入団。95年の引退まで、通算356試合、打率2割5分9厘、3本塁打、33打点の成績を残した。96年から同球団で育成コーチや2軍コーチを務め、08〜15年に1軍コーチ。16年からスコアラーに転身した。

 〇…山脇容疑者は、浪商高時代に一世を風びした牛島和彦さん(元中日)・香川伸行さん(元ダイエー、14年死去、享年52)バッテリーの1年後輩として活躍した。2年生だった1979年に控え選手としてセンバツで準優勝。夏の甲子園では準々決勝に救援投手として初登板を果たし、準決勝で池田に敗れた。3年生の80年には、レギュラー内野手・控え投手として中心選手となったが、春夏とも甲子園出場はならなかった。