NHKの上田良一会長(70)の定例会見が3日、東京・渋谷の同局で開かれた。

 かんぽ生命保険の不適切販売を指摘した「クローズアップ現代+」をめぐり、NHKが日本郵政グループの抗議を受けて続編の放送を延期したとされることについて、上田会長は「番組制作は取材の積み重ねによるもので、今回、自主自立や番組編集の自由を損なう事実はなかったし、続編のリサーチもしたが、十分な取材がなされていないという判断で続編の放送を見送ったものです」と話した。

 NHKは2018年4月放送の「クローズアップ現代+」でかんぽ生命保険の不正販売問題を報じ、情報提供を呼びかける動画をネット上に投稿した。しかし、郵政側の抗議を受けた後に削除し、続編はかんぽ生命の不正販売の問題が広がった後の今年7月まで放送されなかった。

 郵政グループの3社長は連名で上田会長宛ての質問書を出し、さらにNHK経営委に抗議をしたという。NHK経営委は抗議を受け、上田会長に厳重注意したとされていた。

 また、日本郵政の鈴木康雄副社長(元総務事務次官)がこの日、番組の取材手法や報道内容にも問題があったとしてNHKを痛烈に批判した。「まるで暴力団」とも表現したことについて、会見に同席した山内昌彦編成局計画管理部長は「各取材担当の人間に確認したが、NHKとしては大変、丁寧な取材交渉をしていたので、そう受け取られることに大変驚いている」と答えた。

 鈴木副社長はこの日、NHK側から「取材を受けてくれれば動画を消す」と言われたと説明。「まるで暴力団と一緒。殴っておいて、これ以上殴ってほしくないならやめたるわ、俺の言うことを聞けって。バカじゃねぇの」などと答えたが、この件について、山内部長は「そのような(動画を消す)発言が(NHK側に)あったとしたら、1年前に、とっくに私たちにぶつけられているのではないか」と疑問を呈した。