第89回センバツ高校野球大会が19日、甲子園で開幕する。18日は出場32校が参加して開会式のリハーサルが行われた。21世紀枠で40年ぶりに出場する中村(高知)は、正捕手・中野聖大(3年)ら4選手がインフルエンザに感染して欠席。部員12人で初出場して準優勝した40年前と同じ“二十四の瞳”で行進した。

 40年ぶりに「二十四の瞳」を再現してしまった。部員16人の中村は4人がインフルエンザを患い、宿舎で完全休養。横山真哉監督(54)は「二十四の瞳になっちゃいましたね。冗談じゃない、本当に」と頭を抱えた。残りの12人は胸を張って行進したが、その列はさみしげに映った。

 緊急事態だ。中野、武田晴仁一塁手、2番手投手の泥谷和希(ともに3年)ら4人が14日夜に発熱し、15日に病院でインフルエンザの診断を受けた。学校の養護教諭が急きょ、宿舎に駆けつけ、4人は他の選手が通らない角部屋に隔離された。全員が18日朝には平熱に下がったが、19日の開会式も大事を取って欠席する。晴れ舞台は40年前の「二十四の瞳」と同じ12人で迎えることになった。

 しかし、経験がナインの心を支える。新チーム結成後、レギュラー3人が試合中に負傷。2人がマイコプラズマ肺炎を患い、一時は11人となって新人戦に出場した。横山監督は「こんな逆境は慣れている」と受け止め、山本泰生主将(3年)は「人数が少ないので日頃からカバーし合っている。甲子園で試練を乗り越えることで新たなものが得られる」と強調。大阪府内での練習は、今春卒業したOB3人も手伝った。

 4人は開会式後の練習で別メニューで復帰予定。指揮官は「戻ってくるのを信じている」と20日の初戦(対前橋育英)の出場を見込んだ。初戦は、阪急などで活躍した山沖之彦氏(57)ら1977年春の準Vメンバーも駆けつける予定。全員が四万十市出身の16人の結束力は、40年前の「二十四の瞳」にも負けない。(浜田 洋平)

 ◆中村の「二十四の瞳」 部員12人で初出場した77年センバツで準優勝と大健闘。高峰秀子や田中裕子の主演で映画化もされた壺井栄の小説の題名になぞらえ「二十四の瞳」とたたえられた。エース右腕・山沖の力投で1回戦の戸畑(福岡)戦は3―0の完封勝ち。2回戦の海星(長崎)、準々決勝の天理(奈良)、準決勝の岡山南も撃破。箕島(和歌山)との決勝は0―3で敗れた。