◆プロボクシング ▽WBC世界スーパーフェザー級(58・9キロ以下)タイトルマッチ12回戦 ○ミゲル・ベルチェルト(判定 3―0)三浦隆司●(15日、米カリフォルニア州イングルウッド ザ・フォーラム)

 【イングルウッド(米カリフォルニア州)15日=三須慶太】元WBC世界スーパーフェザー級王者で同級1位・三浦隆司(33)=帝拳=が15年11月以来の王座返り咲きに失敗した。同級王者ミゲル・ベルチェルト(25)=メキシコ=に0―3の判定負け。世界戦で自身初めてダウンを奪えず「完封された」と肩を落とした。三浦の戦績は31勝(24KO)4敗2分け、初防衛に成功したベルチェルトは32勝(28KO)1敗。

 12回を戦い抜いた三浦は、結果を聞く前に自らの敗戦を受け入れているかのようだった。勝利を確信して両手を大きく挙げたベルチェルトとは対照的に、控えめに手を挙げた後にすぐ下げた。採点を聞くと、米国まで駆けつけてくれた故郷・秋田などからの応援団に両手を合わせて頭を下げた。

 「今までは負けた試合でもダウンを取るなり見せ場を作っていたが、今回は完封された」と語る通り、苦しい内容だった。初回に左フックでダウンを奪われ、足を使い距離をあけてパンチを繰り出す王者を追いかける展開に。8回には左ボディーで足を止めたが決定打を与えるまでには至らず、最後まで“ボンバーレフト”がさく裂することはなかった。世界戦8試合目にして初めてダウンを奪えず、5〜13点差の敗戦。「最後まで相手のペースで戦ってしまった」と唇をかんだ。

 15年11月、米ラスベガスでのV5戦で敗れて王座から陥落。それまで「集中したい」と故郷の秋田県に住む家族とは離れて暮らしていたが心機一転、昨年4月から同居を始めた。家族だんらんが癒やしの時間だった。支える彩美夫人(32)も努力を重ねた。薬膳教室に通い、出血しやすいボクサーのことを考え「血を作るものや、どこの臓器に効くのかを勉強した」。陰ながら激闘を重ねる夫をサポートしたが、願いはかなわなかった。

 米国に駆けつけた彩美夫人は「やることはやったと思う。こういうところで、もう1度戦うところを見たいけど本人に任せます。お疲れさまと言いたい」と気丈に話した。三浦は以前「負けたら最後くらいの覚悟を持ってやっている」と話していた。だが試合後は「(完敗に)そこでどう気持ちを持っていくかですよね。(今後は)まだ何も考えられない」と語るにとどまった。果たしてどんな決断を下すのか。

 ◆三浦 隆司(みうら・たかし)1984年5月14日、秋田・三種町生まれ。33歳。中学3年でボクシングを始め、金足農高3年で国体優勝。03年にプロデビュー、09年に日本スーパーフェザー級王座奪取。11年にWBA世界同級王者・内山高志(ワタナベ)に挑み、TKO負け。13年4月にWBC同級王座を奪取。15年11月のV5戦で王座から陥落。身長169センチの左ファイター。家族は彩美夫人(32)と、長男・武元君(6)、長女・莉禾(りんか)ちゃん(2)。