巨人・坂本勇人内野手(28)が、巻き返しを期す後半戦に向けてスポーツ報知のインタビューに応じた。逆襲へ、ここからどう戦っていくべきなのか。5月25日〜6月8日に喫した13連敗、主将としての苦悩、WBC後遺症との闘い、そして今後目指す打者像についても語った。(取材、構成・尾形 圭亮)

 チームは前半戦のラスト9連戦を7勝2敗で戦い抜いた。少しずつ、流れはいい方向へ変わり始めている。

 「最初はあれだけ打てなかったけど、今はちょこちょこ打ち出している。でも『なんであんなに打てなかったんだろ?』とか、そういうのは本当に分からない。チームの中の流れだったり、そういうのもあるんでしょうけど『流れ』で片づけていいことでもない。『どうしたら打てるのか』を一人一人が考えて、チームとしてやっていかないと。広島みたいに足が使えてバカバカとホームランが打てて、というチームじゃないんで」

 首位・広島とは14・5ゲーム差の4位でターン。自力優勝の可能性も消えたままだ。

 「3位、2位と、ちょっとずつ上がっていくしかない。なかなか1位が遠いんでね。そこばかりを見るわけにはいかない。1個ずつ、まずは借金を減らしてやるしかないですね」

 前半戦で大きな傷痕となった球団ワーストの13連敗。先の見えない苦しい状況下、どういう心境でプレーしていたのか。

 「1勝するのがこんなに難しいと初めて感じたし、今まで3連戦だったら2勝1敗、悪くても1勝2敗とかね、そういうのが普通だった。それが、3つとも簡単に負けてしまったり『あれ、あれ?』と思いながらやっていました。今までの『普通にやれば勝てる』という感覚からは変わりました」

 大型連敗の原因はどこにあったのか? 投打の歯車がかみ合わなかった不運なのか?

 「完全に実力。かみ合ってないとか、そういう問題じゃない。そこは目をそらしちゃいけない部分だと思います」

 気持ちが途切れそうになる中、どうチームを立て直すかを連日考えた。主将としての苦悩はどこにあったのか。

 「『どういうふうにしていきましょう』とかいろいろと話しました。でも実際、僕が何か言ったところで勝てたわけじゃない。『何を言えばいいのかな』『俺どうしたらいいのかな』というのを常に考えさせられた。長野さんは『試合終わったあと、みんなに集まってもらう?』とか言ってくれたけど『今集まっても、僕、何を言ったらいいか分からないです』みたいな状態でした」

 チームの再興には、若手の台頭が不可欠。最近では坂本勇に助言を求める選手が増えるなど意識の変化も見え始めているが、そこはあくまでスタート地点だ。

 「話を聞きに来るのがいいこと、というわけじゃない。『うまくなりたい』と思ってるやつは、絶対に興味を持つはず。そうやって聞きに来たりする選手もいますけど、それは当たり前のこと。それを僕がどうこう言うことじゃないです。聞きに来たからうまくなるわけでもない」

 では、自身はどうやってここまでの実力を身につけたのか。

 「僕は19歳から試合に出させてもらっていたから、(2軍で)めちゃくちゃしんどい練習とかさせられたわけじゃない。練習や試合で『あの人はどうやって打ってるのかな』と見て、聞きにいったりもしました。技術ある選手がいっぱいいたんで。相手打者も見ていましたね」

 昨季は打率3割4分4厘で初の首位打者を獲得した。今季は前半戦を終えて打率3割3分3厘。誇れる数字だが、自己評価は厳しい。

 「去年よりいいところはないんじゃないですか。数字だけ見ても。普通に去年を下回っているし。あれ(昨季の打率)を基準に野球できないっすね」

 開幕直後、他球団ではWBC後遺症に苦しむ選手もいる中、好スタートを切ったかに見えたが、実情は違ったようだ。

 「タイミングの取り方に苦労しました。たまたま結果は出ていましたけど。ずっと外国人の投手ばかり相手にしてたから。外国人はセットが止まるか止まらないか分からなかったり『間』がない感じで投げてくる。始動を遅く、小さいタイミングで打撃練習をしていたから(開幕後は)インサイドもさばけず、詰まる打球が多かった。結構長かったですよ。交流戦に入る手前くらいまでかな。今では全然(影響はない)ですけど」

 さらに上のレベルを目指し、現状9本からの本塁打量産を見据える。

 「もっとホームランを打ちたい。一発で試合がひっくり返ったり、流れを呼び込んだりできる。打撃って、絶対に技術で打つものだと思う。そういう技術を求めていきながら、今までの経験をもっともっとうまく使えれば、もっともっとホームランを打てるんじゃないかと思います」