◆全国高校野球選手権神奈川大会 ▽2回戦 横浜創学館4―2鎌倉学園(17日・大和スタジアム)

 横浜創学館の“神ってる男”佐藤未来人(3年)が、殊勲の一打を放った。3回2死満塁で、スライダーをフルスイングし、右越えに走者一掃となる先制の三塁打。「うれしいです。プレッシャーもあったけれど、振り負けないようにしていました」と満面の笑みを浮かべた。

 森田誠一監督も「やってくれるかなと思っていたけれど、あの一打で楽になった。持っているんですかね」と佐藤未を褒めたたえた。大一番に強い。昨夏の神奈川大会の初戦の横浜商大高戦で、9回に2点を勝ち越されたその裏、1死二、三塁から起死回生の逆転サヨナラ本塁打を放っている。森田監督は「普段はそうでもないけれど、ここぞという場面で打つ」と佐藤未の神通力に脱帽した。

 恩師が力をくれた。佐藤未は言う。「試合前に必ず、少年野球の監督のお墓参りに行くんです」。小学生の時にプレーした「清水ケ丘ジャイアンツ」の深谷監督は、佐藤未が中学に上がる時にがんで46歳で急逝した。「亡くなられる前に『思い切ってやれ』と話したのが最後の会話になったんです。今日も(墓前で)『打たせてください』とお願いしていた」。昨夏のサヨナラ弾の時も墓参りに行っている。試合前に欠かさず行っている“儀式”だった。

 亡き恩師の言葉を思い出す。「リストが強いから前でしっかりボールをとらえろ。守備でも切り替えてやれ」。その言葉通りの一打に、守備では失策もあったが、教え通り気持ちを切り替えて最後までプレーした。

 「持っている? 自分でもそう思います」167センチ、71キロと小柄ながらパンチ力を秘めた佐藤未。第3シードで臨む神奈川大会。強豪が群雄割拠する中で頂点を虎視たんたんと狙う。