海外メジャー通算8勝のトム・ワトソン(67)=米国=が、このほどスポーツ報知の取材に応じ、松山英樹(25)=LEXUS=の今季メジャー第3戦・全英オープン(20日開幕、英国・ロイヤルバークデールGC)での日本人初制覇に太鼓判を押した。歴代2位の通算5勝を誇る「全英マスター」は「勝つための“道具”が全てそろっている」と指摘。「まずは風向き、風の強さを把握して練習すること」と攻略法を挙げた。(構成・岩原 正幸)

 ゴルフ史に輝かしい功績を刻むワトソンは、松山について聞かれ、うれしそうに答えた。「彼の活躍は以前から予測していた。数年前からメジャーを勝つと思っているよ」

 松山とは13年の全米プロとダンロップフェニックス(宮崎)で練習ラウンドを行い、15年のマスターズでは「君のスイングが好きだ」と激励するなど常に存在を気に掛けてきた。その上で「強さはパッティング。それから飛距離も出せる。名付けるなら『フルツールボックス』。彼という『箱』の中に、既にメジャーで勝つための道具が全てそろっている」と成長を認め、全英オープンを前に「松山が勝つ可能性は大きい」と言い切った。

 歴代2位となる5勝を挙げた、全英オープンを知り抜いている存在だ。大きな特徴は、やはり4日間すべて天候、風向きが変わるといわれるリンクスコースが舞台だということ。80年、ミュアフィールドでの最終日は強い北風の中で69にまとめ逃げ切りV。83年は今回と同じ舞台、ロイヤルバークデールで連覇。天候の変化に対応して勝ちきってきたからこそ、攻略のポイントは「全て」ではなく「半分」と助言を送る。

 「コースに入る前に風向き、風の強さを学んで練習すれば、攻略法が見えてくる。だが、天気が悪い時はフィールドの半分を制せよ、ということ。スコアが悪くてもショートゲームで勝つチャンスがある。それを逃さなければ、試合はスイッチを押すような形で、スイングひとつで流れが変わる」

 「半分」の教えは、精神面でも大舞台攻略の大きなカギになる。「特にメジャーでは一生懸命いいプレーをしようと気負うけど、試合が簡単だと感じたい。『闘う』『苦しむ』というマイナス思考ではなく、ティーショットからパットまで良かった、と思えるように運びたい」。全てをうまくやろうとして1つのミスをマイナスと考えるより、1つのプラスを楽しむこと―。ワトソンはそう言って松山の活躍に期待を寄せた。