◆西武7−4楽天(2日・メットライフドーム)

 パの3強の争いが白熱してきた。3位の西武が山川の3打席連続本塁打などで楽天・則本を攻略し、94年以来23年ぶりの11連勝。楽天を首位から引きずり下ろした。ソフトバンクはバンデンハークが8回1失点、13奪三振の好投で9勝目を挙げるなど、オリックスに快勝。7月8日以来の首位に浮上した。楽天と西武の差は5ゲームまで縮まった。

 破竹の連勝の勢いに乗って、山川が3度、大きな放物線を描いた。「奇跡だと思います!」。8回2死から楽天・久保のスライダーを左翼席へ運び、プロ4年目で初の3打席連発となる7号ソロ。西武の日本人では、97年に鈴木健が放って以来の3連発。持ち前の長打力で、チームを94年9月以来、23年ぶりの11連勝に導いた。

 難攻不落の則本を相手に“山川ショー”は幕を開けた。4回1死からフォークを左翼席中段へ運ぶ5号ソロ。続く6回1死一塁では、初球の外角低め150キロを捉えて「今年一番、感触が良かった」という特大弾をバックスクリーンへぶち込んだ。

 前夜の悔しさをボールにぶつけた。1日の楽天戦では4回無死二塁、6回無死満塁と2度の好機で凡退し「両方とも自分らしくない打撃をしてしまった」。内心ではスタメン落ちも覚悟したが、首脳陣から「しっかり振ってこい」としったされてリベンジの機会をもらった。「試合に出してもらって、死ぬほどうれしかった。自分のスイングをしよう、と」。

 実は則本との相性は最悪だった。昨季は3打席3三振で「こてんぱんにされていて、そのイメージしかなかった」。だが、前夜の反省がここでも生きた。「ここで当てにいったらこれまでと一緒。三振でもいいからしっかり振ろう」。割り切りの精神で放った3連発を、辻監督は「昨日の無死満塁で打てなくて、反省があったのかもしれない。見事だった」とたたえた。

 2位に引きずり下ろした楽天とは5差。上位の背中が見えてきた。過去5度ある11連勝以上したシーズンは、いずれもリーグ優勝。3日にプロ野球記録の4打数連発に挑む山川は「気にすると力んでしまう。どうせ打てないだろうと思っていてください」と苦笑した。だが、今の獅子軍団には不可能を可能にするだけの勢いがある。(小島 和之)

 ◆山川 穂高(やまかわ・ほたか)1991年11月23日、沖縄・那覇市生まれ。25歳。中部商から富士大を経て、13年ドラフト2位で西武入団。特技はピアノ、書道(8段)。愛称は沖縄産の豚から「アグー」。176センチ、100キロ。右投右打。年俸1600万円。

 ◇1994年の西武 76勝52敗2分けで、2位のオリックスに7・5ゲーム差をつけてリーグ優勝を果たした。打線では清原が26本塁打、93打点でチーム2冠に輝き、佐々木が37盗塁で盗塁王。投手では郭が最高勝率、新谷が最優秀防御率のタイトルを獲得した。巨人との日本シリーズは2勝4敗で日本一を逃し、シーズン終了後には森監督が辞任。86年から9年間にわたって指揮を執り、8度のリーグ優勝、6度の日本一を達成した森政権が終了した。