第99回全国高校野球選手権大会(7日から15日間・甲子園)の組み合わせ抽選会が4日、大阪市内で行われた。「巨人・小林2世」中村奨成捕手(3年)を擁する広陵(広島)は、同日第1試合で中京大中京(愛知)と対戦する。第4日はほかに横浜(神奈川)―秀岳館(熊本)、興南(沖縄)―智弁和歌山(和歌山)、大阪桐蔭(大阪)―米子松陰(鳥取)と好カードが集中した。

 相手が強いほど「小林2世」は燃える。広陵の初戦は、春夏11度の優勝経験を誇る中京大中京。さらに2回戦でも横浜と秀岳館の勝者と激突する“死のブロック”だ。「どこが来ても倒すイメージを持っていた。『よっしゃ!』って感じ」。甘いマスクで爽やかな先輩とは正反対。将来の夢に「日本代表の4番・捕手」を掲げる中村の闘争心が、一瞬にして燃え上がった。

 先輩の指令が発奮材料だ。オフの冬場に同校を訪れた巨人・小林から「中井先生を日本一の男にしろ!」と、1990年から指揮を執る中井哲之監督(55)の胴上げを要求された。動画でプレーを研究するほど憧れる選手の言葉に、中村は「目標は全国制覇しかない」と思いをさらに強くした。

 この日の甲子園練習では、シート打撃の第1打席2球目を“聖地初スイング”で右中間席へ放り込み、高校通算38本塁打の実力を披露。県大会は初戦(2回戦)の崇徳戦で右手首に死球を受けた影響で17打数3安打の打率1割7分6厘と苦しんだが、準決勝からの2戦連発で完全復活した。「持っている身体能力はとんでもない。肩が良くて化け物」と指揮官も絶賛。二塁への送球タイムは1秒74で、24歳の巨人入団時に「鬼肩」と称された小林の1秒8を上回る。県大会で相手が試みた唯一の盗塁も、簡単に刺してみせた。

 春は3度の日本一を味わったが、夏はゼロ。2007年夏に広島・野村とバッテリーを組んだ先輩は、決勝で佐賀北に涙をのんだ。「強い学校とやれるのは楽しみ。いつもの球場と違ってワクワクする」。強肩強打のドラフト候補が、先輩のゲキに応える。(浜田 洋平)