◆明治安田生命J1リーグ 第20節 鹿島2―0仙台(5日・カシマスタジアム)

 鹿島は2―0で仙台を下し2連勝。濃霧で試合が2度中断し視界が制限されたが、大岩剛監督(45)就任後の不敗記録を8試合(7勝1分け)に伸ばした。1試合消化の多いC大阪は、FW杉本健勇(24)が得点ランク首位の浦和FW興梠慎三(31)に並ぶ2得点などで、札幌を3―1で下し暫定首位をキープ。浦和は堀孝史新監督(49)の初陣で大宮と2―2で引き分けた。

 濃霧に惑わされはしない。「相手GKも見えなくて怖かった」(DF昌子)、「逆サイドは見えなかった」(MF三竿健)という視界不良の状況で、前半ロスタイムにFW土居が先制点。後半16分から10分間の中断を挟んでも攻め手を緩めず、後半ロスタイムにはFW鈴木が2点目で試合を決めた。相手に打たれたシュートは1本。視界を遮られても、強さは変わらなかった。

 試合開始前から垂れ込めた白い霧は時計が進むにつれ濃くなり、範囲を広げた。客席から手前の半分しか見えなくなり、同25分に飯田淳平主審(35)が蛍光オレンジのカラーボールへの変更を指示。同29分には主審が試合を止めて「続行する」と運営、両クラブの主将に伝えた。後半も晴れず、視界の確保不能を理由に後半16分から中断し、10分後に再開した。

 カシマスタジアムは海に近く、暖かく湿った空気が冷たい海面に触れて「海霧」が発生しやすい。過去に霧の試合は4例あったが、中断はなく4戦全勝。気温が下がり、プレーしやすくなるという利点もあり、クラブ内では「勝利を呼ぶ霧」と歓迎されている。

 とはいえ、これほどの濃霧が発生したのは試合開催日では初めて。選手は10分の中断時間に「スイッチを入れ直そう」と声を掛け合った。中断後、大型映像の機能的な問題で時計表示が消えた。気づいた昌子が再開前に主審に問い合わせ「あと30分」との返答を得て、同僚に伝えた。終盤はMF小笠原が残り時間を問い合わせ、周囲に「残り7分」という目安を叫んだ。

 2連勝で監督就任後8戦負けなし(7勝1分け)となった大岩監督も「中断中も選手が集中を切らさないことが重要。それができていた。ほめたい」とうなずいた。常勝軍団には、勝利へ向かう道筋がはっきりと見えていた。(内田 知宏)