◆第53回小倉記念・G3(6日、芝2000メートル、小倉競馬場、良)

 小倉競馬場で行われたサマー2000シリーズ第3戦の第53回小倉記念・G3は4番人気のタツゴウゲキが鼻差で競り勝ち。落馬負傷のミルコ・デムーロ騎手(38)から急きょ乗り替わった秋山真一郎騎手(38)=ともに栗東・フリー=が重賞初Vへ導いた。

 2頭による首の上げ下げ。タツゴウゲキの背で、秋山は負けを覚悟していた。「いつも戸崎君に負けているんで、2着かなと思っていました」。リーディングを独走する関東のエースとの追い比べ。写真判定の結果、鼻差で制していた。

 この日の7Rでコンビを組む予定だったMデムーロが落馬負傷。突然の代打になったが、38歳に戸惑いはなかった。前走の七夕賞でフェルメッツァ(5着)の馬上から能力を感じていたという。「(前の馬が下がってきて)不利を受けたのは分かっていました」。スタートを決め、好位でロスなく運ぶレースを再現。接戦をものにした。

 鮫島調教師は「ハンデが52キロ。体重が軽くて、この馬に合う、ふわっと柔らかく乗ってくれるジョッキー」と騎乗を依頼した理由を説明し、「イメージ通りに乗ってくれた」とたたえた。

 今年重賞初Vに秋山の口は滑らか。「これでまだまだジョッキーが続けられそう」「体重が軽くてよかった」「重賞は毎年1回しか勝たないのでビッグイベント」。次々に飛び出す自虐コメントはプロ21年目の900勝ジョッキーの独特の喜びの表し方だ。

 格上挑戦で初タイトルを獲得。サマー2000シリーズ王者も見えてきた。「全く頭になかったけど、新潟記念(9月3日、新潟)の可能性はある」と鮫島師。次走の鞍上は未定だが、夏の主役候補に躍り出たことは間違いない。(吉村 達)

 ◆タツゴウゲキ 父マーベラスサンデー、母ニシノプルメリア(父シングスピール)。栗東・鮫島一歩厩舎所属の牡5歳。北海道新冠町・川上牧場の生産。通算17戦4勝。重賞は初勝利。総収得賞金は8523万5000円。馬主は鈴木高幸氏。