第99回全国高校野球選手権(甲子園)は台風5号の接近により、開幕が8日に順延された。富山代表・高岡商の初戦も1日延びた。6日、開会式リハーサルと監督対談に臨んだ。高岡商は午後から奈良県内で練習し、大会出場選手最小の身長157センチの吉本樹二塁手(3年)が軽やかな守備を披露してチームに活気を与えた。

 額で見て、足で取って、目で投げる―。コーチの教えを守り、高岡商の内野守備をリードするのが、二塁手の吉本だ。身長は今大会の全出場選手で最も小さい157センチだが、俊敏な動きでボールをさばき、大きな声を出してチームを盛り立てる。「甲子園では自分のワンプレーがチーム全員のプレーに見られる。責任を持って、全力を出そうと思います」と言い切った。

 聖地で旧友と再会した。開会式リハーサルで入場行進した後、幼なじみで大阪桐蔭の最速148キロ右腕、根尾昂(2年)と再会。ともに岐阜県飛騨市出身で、小、中学で一緒にプレー。根尾投手と、捕手だった吉本がバッテリーを組み、中学では岐阜県大会で準優勝した。早くも来秋のドラフト候補にも挙げられる根尾だが、吉本は「1学年後輩だけど、友だちという感じです。お互いに、思いっきりプレーしたい」と健闘を誓い合った。

 高校入学時は捕手だったが、チーム事情で昨秋から二塁手にコンバート。連係プレーに苦労もあったが、今春のセンバツではスタメンで活躍した。「体が小さいので、体重や筋肉で補っています」。ウェートトレーニングに力を入れ、左右の握力はチームトップの65キロ。怪力ぶりを発揮するなど、体格のハンデも努力で埋めてきた。

 根尾が「(吉本は)野球に熱いやつです。センバツでも頑張っていて、すごい」と話すと、「お互いに勝ち進んで、対戦できれば」と吉本。刺激し合う2人が、幼なじみ対決を心待ちにする。(中田 康博)

 ◆吉本 樹(よしもと・いつき)1999年8月13日、岐阜県飛騨市生まれ。17歳。小学3年から野球を始め、中学では飛騨高山ボーイズで捕手兼三塁手として活躍。高校2年春からベンチ入り。157センチ、64キロ、右投右打。特技はスキー。