◆巨人4―5中日(6日・東京ドーム)

 中日・岩瀬が9回に登板して通算登板試合を950とし、阪急(現オリックス)などで通算350勝を挙げた米田哲也氏のプロ野球記録949を上回って歴代単独最多となった。1イニングを無得点に抑えて2セーブ目を挙げ、自身が持つ最多記録も404に伸ばした。

 あり得ない結末に、記念ボードを掲げる表情はぎこちなかった。岩瀬がプロ野球新の950試合登板。しかも出番は1点リードの9回という全盛期のような場面だ。最後はアピールプレーを求める堂上らに呼ばれ、二塁への送球で試合が終わり「まあ、やられて終わるよりはいいか」と苦笑いを浮かべた。

 日本一の数字に感慨はない。「数字上は抜きましたが、(米田哲也氏の記録と)比べちゃいけないと思います」と謙遜した。通算404セーブも気に留めない。それよりも「勝って終わりたかった。目標はAクラス。CSで試合をしたい」と強調した。「これで肩の荷が下りるでしょ。周りに意識させられていたものから解放されたから」といたずらっぽい表情すら作った。

 950につながる1歩目は最悪だった。新人だった1999年4月2日、広島との開幕戦。1点リードで川上を救援したが、前田、江藤、金本に3連打を浴びて逆転を許し、1死も取れずに降板した。「あれはインパクト強過ぎでした。それでアウト1つの大切さが染みたのかな」。救援投手の重責を思い知った。

 ストレスのかかる“職場”。大切にしてきたのは、打たれた次の試合だ。「続けてやられてしまうと(気持ちが)一気にガタガタッといく。だから次は絶対に抑えてやるってね」。胃が痛むような試合が続き、髪や眉に脱毛の症状が出ることもあった。今季は症状こそ出ないが「やっぱり上でやっている以上、ストレスはあります」と打ち明けた。

 先頭の中井への初球が金字塔を記念する球。試合後、ウィニングボールと両方を手渡されて「もうどっちがどっちか分からないです」と笑わせた。最後に目標を聞かれたが「次は951をしっかり頑張ります」。無欲で前人未到の高みを登り続ける。(田中 昌宏)