第99回全国高校野球選手権の開幕が台風5号の接近により、8日に順延された。8日は当初の時間通り、開会式と3試合を行う予定。日程は1日ずつずれ込み、8日以降、順調に試合が消化されれば、決勝は22日に行われる。6日は甲子園で開会式リハーサルが行われ、リハ直前には秀岳館(熊本)の鍛治舎巧監督(66)が今夏限りで退任する意向を表明した。第4日の1回戦で対戦する横浜・平田徹監督(34)との対談直後に明かした。後任や今後の去就は未定。

 監督対談を終えた鍛治舎監督は「ちょっといいですか」と切り出した。

 「この大会で、秀岳館高校の監督を退任したいと思っています。来年の100回大会まで―という思いはあったけど、その前に新しい人に引き継ぐ方がいい流れで行くんじゃないかなと。ただ、よく考えました。相当考えました」

 開幕を直前に控え、突然の退任表明だった。

 1年ほど前から進退を考え、今大会前には覚悟を決めていたという。

 「やるべきことはやったかな、という感じです。引き際も大事。ドロドロっていうより、さわやかに辞めたいなと。今の選手だったら、学んだことをつなげていけるという、自信、確信が出てきたので。いいタイミングがきたな、と。指導者も育ってきたし」

 熊本大会中には突発性不整脈で入院したが、健康上の理由ではないと強調した。

 14年の就任時は“5年契約”で、チーム強化を託された。熊本大会中に取材に応じた中川静也理事長は「体調の問題もある。監督を続けるのか、総監督なのか、それは分からないけど、5年間は野球部をサポートしてもらう」と話していた。今後の去就については、今大会終了後に話し合う見込みだ。

 ナインには午後、大阪・貝塚市内での練習前に伝えた。現3年生は、スカウティングから携わり、たっぷりと愛情を注いだまな弟子たちだ。「集大成。選手と一緒になって、日本一を達成したい」。最後の夏。3季連続4強の壁を越え、全国制覇の歓喜を分かち合う。(青柳 明)

 ◆鍛治舎 巧(かじしゃ・たくみ)1951年5月2日、岐阜県生まれ。66歳。県岐阜商のエースとして69年センバツ8強。早大から松下電器で外野手、監督。75年阪神ドラフト2位指名を拒否。パナソニック専務を務めながら、オール枚方ボーイズ監督として、13年の主要大会5冠など、13度の日本一。秀岳館が甲子園初出場した01年夏のテレビ解説が縁で就任要請を受け、14年4月から監督を務めている。