◆阪神6―5ヤクルト(6日・京セラドーム大阪)

 雄たけびを上げた。1点を追う7回1死一、二塁。代打で登場した伊藤隼は、石山の外角低め147キロを豪快に振り抜いた。「本塁打になってくれと思って走っていました。興奮しちゃいましたね」。バックスクリーン右に飛び込む逆転2号3ラン。広島のマジック点灯を阻止する一発に、右拳を握り締めた。

 勝負どころで代打起用を的中させた金本監督の頭には、高山を送り出す選択肢もあった。「僕も迷いましたけど、片岡(コーチ)が『ハヤタ』と言うので。神の一声ですね。まさかホームランとは。しびれました」。今季2度目の同一カード3連勝を呼び込んだスイングを絶賛した。

 昨季は1月の合同自主トレ中に右肩関節唇を損傷し、キャンプ序盤は歩くことしかできなかった。右手にギプスをはめながら向かったのは、高知・安芸市営球場裏の山道を4キロ登った先にある星神社。同市出身で三菱財閥の創業者である岩崎弥太郎が通った地で再起を誓った。

 チームは再び貯金を2ケタの10に戻した。「いい場面で使ってもらっているんで、意気に感じている。心も体も頭も整理して打席に立つようにしています」と代打の切り札は胸を張った。6年前のドラフト1位がようやく居場所をつかみつつある。(表 洋介)