JRAに16年ぶりに誕生した女性新人騎手として、2年目の今年も注目を浴び続ける藤田菜七子騎手(19)=美浦・根本厩舎=があす9日、20歳のバースデーを迎える。昨年3月のデビューから1年半で、JRAでは13勝。大人の節目を前にしての思いを聞いた。(聞き手・川上 大志)

 ―あす9日が20歳の誕生日。今の心境は?

 「20歳になったら、自分も少しは大人になるのかなって。思っていたんですが…。まだまだほど遠い感じがしています(笑い)」

 ―20歳になったら挑戦したいことは?

 「料理は挑戦してみたいですね! やろう、やろうと思いながら、まだ鍋くらいしかできていないので。あとは、お酒もたしなんでみたいですね。もともと、炭酸飲料が飲めないのですが…。炭酸が入っていないお酒なら、飲めるのかな」

 ―JRAで16年ぶりの女性騎手として昨年3月にデビューして、もうすぐ1年半。ここまでを振り返って。

 「久々の女性騎手ということで騒がれて、注目していただいたなかで、なかなか結果が出せなくて。自分の未熟さを感じているところです。騎手として、もっと技術だったり、結果だったりを見てもらえるように、頑張らないといけないですね」

 ―中央競馬だけでなく、地方、海外と多くの競馬場で騎乗経験を重ねてきた。

 「競馬って、やっぱり実際に乗ってみないと分からないことが多いと思うんです。たくさん乗せてもらって、こんな馬もいるんだなあとか、知っていることが増えて、自分のなかの引き出しは少しずつ増えていると思います」

 ―印象的だったことは。

 「イギリスなど海外で、騎手にも厩舎スタッフにも女性の方がすごく多かったことですね。こんな私ですが、日本でも、その姿を見て、この世界を目指す後輩が出てきてくれたらうれしいですよね」

 ―8月9日の夏生まれですね。

 「毎年、夏休み中にあるんですよね。だから、学校で友達に祝ってもらえなかったんですよ…。クラスでお祝いしてもらっている友達がいると、うらやましいなあって(笑い)」

 ―では、誕生日の思い出は…。

 「あんまりないんですが…。競馬学校時代に、教官が『今日は誕生日だから』って、フィジカルトレーニングを3分だけ短くしてくれました(笑い)」

 ―競馬学校のトレーニングは、かなり過酷なものですね。途中でやめてしまう生徒も少なくないと聞きます。

 「教官からは『学校時代の3年なんて短い3年だぞ』と言われ続けてきました。その意味が、今になってようやく分かってきた気がします。競馬で勝って、ウィナーズサークルでお客さんから祝福されると、『ああ、騎手になって良かった。また頑張ろう』って思えます!」

 ―先週の新潟では、土日で2勝をマーク。10代ラストのJRAでの騎乗を勝利で飾った。20歳の抱負を。

 「『自分らしく頑張る』ですね。もちろん、誰にも負けたくないですが、人と比べても意味はない。他の人ができないことを、ひとつでも見つけていけたら。女性らしく、しなやかに。馬の気持ちに寄り添えるジョッキーになれたらと思います」

 ◆藤田 菜七子(ふじた・ななこ)1997年8月9日、茨城県生まれ。19歳。美浦・根本厩舎所属。JRAでのデビューを前に16年3月3日に地方・川崎競馬で初騎乗。同24日の浦和3R(アスキーコード)で初勝利。JRA初勝利は同年4月10日、福島9Rのサニーデイズ。16年は中央6勝のほか地方で8勝をマーク。昨年4月から芸能プロダクション「ホリプロ」に所属。2年目の今年はJRAで7勝を挙げている(6日現在)。家族は両親と弟。157.4センチ、45.6キロ。血液型A。