◆米男子プロゴルフツアー世界選手権シリーズブリヂストン招待 最終日(6日、米オハイオ州ファイアストーンCC、7400ヤード=パー70)

 松山英樹(25)=LEXUS=が米ツアー今季3勝目となる、通算5勝目を挙げた。

 2013年のブリヂストン招待で松山とウッズは予選を2人だけの同組で回った。当時、現地で36ホールを追った竹内達朗記者は「松山伝説の原点」と「ウッズ最後の輝き」を見た。

 ウッズと松山の“タイマン勝負”で特に印象に残っているホールがある。第2日の2番パー5だ。

 ウッズは第1打で松山を40ヤードも引き離し、2オン成功。そして、6メートルのイーグルパットをねじ込んだ。すると、大ギャラリーは我先にと3番に向かって走り出した。松山の4メートルのバーディーパットに注目する観衆はほとんどいなかった。当時からコンビを組む進藤キャディーが「スタンド・プリーズ(止まってください)!」と叫んでも無駄だった。

 今では世界ランク1069位まで落ちたウッズだが、当時は堂々の1位。圧倒的な実力と人気を誇っていた。61をたたき出したウッズに松山は脱帽するしかなかった。「プロと小学生がやっているようなものでした」。自身のプレー中にギャラリーが移動し、ざわついた空気の中でショット、パットを強いられたことについて「タイガーは世界一なのだから当然」と言い訳しなかった。その上で言い切った。「あそこまでいけばメジャーで勝てる選手になれると分かった」。その言葉が決して強がりではなかったことを4年後に証明した。

 ちなみにウッズは、この大会が最後の優勝になった(現時点だが)。当時の37歳の王者が松山に送ったエールは一部意味不明。「若いっていいよね。年を取ると、いろいろ考える。太平洋はどこか、大西洋はどこか、インド洋はどこか、とか。でも、松山はそんなことは考えていない。最高だね」。その後のウッズの迷走を暗示していた気もする。