◆中日1―1広島=延長12回引き分け=(8日・ナゴヤドーム)

 広島は延長12回の末に1―1で引き分け、優勝マジック「33」を今季初点灯させた。6回まで無安打に抑えられたが、7回に鈴木の適時打で同点。8回以降の5イニングを救援5投手がわずか1安打に封じる粘りを見せた。25年ぶりにリーグ優勝した昨年のマジック初点灯は8月24日で「20」と、球団史上最速日で2連覇への灯をともした。

 ジャクソンが天を指さし、こわもてを一気に崩し、とびっきりのスマイルをはじけさせた。1―1の延長12回2死、代打・ゲレーロを空振り三振締め。6回まで無安打に抑えられた敵地でのゲームを終盤に追いつき、負けなかった。勝ちに等しいドロー。阪神が敗れたため、球団史上最も早くマジック「33」を点灯させた。最短での優勝は29日だ。

 「(野村)祐輔の後の中継ぎ投手もよく粘ってくれたね」。緒方監督がたたえた立役者は救援陣だ。5人の右腕が、それぞれ役割を完璧に果たした。8回中崎、9回今村、10回中田は打者3人でピシャリ。11回一岡も無失点で、最後はジャクソンが3者連続空振り三振。5イニングで出した走者は1人だけ。15アウトのうち9つを三振で奪った。

 普段は強力打線や若い先発陣の岡田、薮田らの陰に隠れがちだが、指揮官が「うちの今年のストロングポイントだから」とひそかに自信を示していたブルペン陣。今村の48試合を筆頭に、鉄壁の中継ぎ5人衆が計209試合登板。畝投手コーチも「頭が下がるよ」と最大級の賛辞を贈った。

 20試合連続無失点の中崎が「結果は出ていますが、危ない球もある。そこをしっかり修正していきたい」と貪欲に言えば、チーム最多20ホールドのジャクソンは「(救援陣は)セ・リーグでNO1といっていい」と豪語。シーズン中盤にセットアッパーの座を勝ち取った中田も「みんないいので、味方に負けないようにという思いは強い。失敗したら置いていかれる、という不安がある」。危機感と隣り合わせの、高いレベルでの競争が好結果につながっている。

 強力打線が不発に終わっても“鉄壁の5人衆”がいるから負けない。緒方監督は「みんな粘ってくれたね。投手にしても、打者にしても。点は取れなかったけどね」。102試合目でのマジック点灯は昨季よりも15試合も早いが、それを気にする選手は誰もいない。目指すところはここじゃない。連覇へのただの通過点に過ぎない。(角野 敬介)