◆第99回全国高校野球選手権第2日 ▽1回戦 前橋育英12―5山梨学院(9日・甲子園)

 2年連続7度目出場の山梨学院は1回戦で前橋育英(群馬)に5―12で敗れた。山梨学院は先発したエース左腕・吉松塁(3年)が初回に1点を失うと、3回には3者連続適時打などで5失点と序盤から苦しい展開。投手5人での継投で応戦も、8盗塁を決められるなど悪い流れから3被弾。昨夏に続く2回戦進出はならなかった。

 前橋育英の機動力に、山梨学院が屈した。0―1の3回1死二塁、前橋育英の1番・丸山和都中堅手(3年)がこの試合2つ目の三盗を決めた。エース左腕・吉松は2死までこぎつけるが、4番・飯島大夢主将(3年)からの3連続適時打で3失点。続く7番・小池悠平一塁手にダメ押しの2ランを献上。「警戒していたが、走られてしまいこちらのリズムに持ち込むことができなかった」と吉松が言えば、捕手の五十嵐寛人(3年)「(吉松は)ブルペンではよかったが、走者が絡んだことで間をうまく制御できていない印象だった」と振り返った。

 足を絡めた攻撃に翻弄された。丸山の4つを筆頭に8盗塁を決められ5投手継投も崩れ、13与四死球に3本塁打で大差を付けられた。「吉松が打たれ、走られたことで後続も苦しい投球になってしまった」と五十嵐が悔やんだ。

 最後まで戦う意地は見せた。吉田洸二監督(48)は「甲子園で戦う布陣」として五十嵐を1番に置くなど大胆な打順の組み替えを行った。五十嵐は0―6の4回2死満塁から走者一掃となる中越え適時三塁打。6回にも7番・松尾孝太中堅手(3年)から3連続安打などで2点を奪ったが、大量失点は補えなかった。

 昨夏の2回戦敗退から1年。同校初の聖地2勝を目指し主将の栗尾勇摩(3年)を筆頭に吉松、五十嵐、松尾ら甲子園を経験したメンバーがチームの屋台骨を支えてきた。冬の厳しいトレーニングや劣勢の試合で意気消沈気味になると「こんなんじゃ、甲子園なんて行かれないぞ!」「また負けるのか!」。仲間同士、厳しい声を掛け合い、県内公式戦無敗で再び聖地に戻ってきた。

 思わぬ大敗を喫したが、4番手投手として今夏初のマウンドで奮闘した栗尾は「離されても食らいつく気持ちは貫いた。去年の悔しさを晴らすためにやってきて、それを出せたので悔いはない」と穏やかな表情を浮かべた。悲願の2勝は今回もお預け。「努力すればこの素晴らしい舞台でできると強く思って頑張ってほしい」。主将は聖地で、後輩に思いを託した。(大津 紀子)