◆第99回全国高等学校野球選手権大会第2日 ▽1回戦 盛岡大付4―1作新学院(9日・甲子園)

 今春センバツ8強の盛岡大付(岩手)が、昨夏王者の作新学院(栃木)を逆転で撃破した。右肩痛から復活したエース右腕・平松竜也(3年)が、9回9四死球ながら2安打1失点9奪三振の“怪投”。今春の智弁学園戦に続き、史上初めて2季連続で前年V校を破った。

 高々と舞い上がったボールを盛岡大付の右翼手・三浦奨がグラブに収めると、ナインは笑顔でハイタッチを交わした。3点リードの9回2死から3四死球で招いた満塁の危機を切り抜け、センバツ2回戦の智弁学園に続き、夏も昨年王者・作新学院を撃破。同一年度で前回の春と夏王者を破ったのは、史上初だ。関口清治監督(40)は「自分たちに力を与える意味ですごくいい相手とやらせてもらえた」と喜んだ。

 快挙の立役者は、背番号1のエース・平松だ。初回1死満塁から暴投で先取点を献上も「コントロールが定まらなかったけど、点を取られて開き直ることができた。(9回のピンチは)しびれたが、背番号1をもらっているから抑えないと」と、120キロ台後半のスライダーを主体に強打の王者を2安打に封じた。9四死球を与えたが、内角を突く強気の攻めで5回の3連続を含む9奪三振。136球の熱投に「今までで一番うれしい」と胸を張った。

 最速145キロを誇る本格派だが、今春に右肩を故障。センバツでは三浦瑞樹が智弁学園相手に1失点で完投し、初の8強入りの立役者となった。その陰で平松は肩の痛みに苦しみ登板は1試合のみで「悔しかった。三浦に負けたくない気持ちもあった」と明かす。

 6月中旬に練習復帰した後も「けがの再発が怖かった」と50球程度の投げ込みに抑えた。岩手大会優勝後は右肩に痛みもあり、打者相手の練習を一度も行わずに、甲子園のマウンドに立った。この日は三浦も準備したが、公式戦自身初の9回完投。指揮官は「気迫と根性にかけようと思った。よく最後まで投げてくれた」とたたえた。

 大仕事をやってのけたエースは「目標は日本一だけど、一戦ずつ勝っていくだけ。瑞樹もいるから全力で行きたい」と決意。春夏連続で王者をたたいた勢いで、東北勢初の全国制覇を目指す。(遠藤 洋之)