◆巨人4―5阪神(9日・東京ドーム)

 左手をめいいっぱい伸ばし、滑り込んだ。陽岱鋼の小指と薬指が捕手・梅野にタッチされるより先にホームベースに触れた。「絶対タッチされていない」と確信があった。両手を広げて生還をアピールしたが、まさかの「アウト」の判定。約2分間のリプレー検証後、一転して判定は「セーフ」となり、地鳴りのような歓声が巻き起こった。

 2点を追う7回2死満塁。マギーがマテオの初球、真ん中のスライダーを振り抜き左中間を破ると、陽は一塁から猛然とダッシュした。「でかい当たりだったら絶対にかえってやるという気持ちだった」。一気に三塁ベースも蹴って本塁に突入。“神の手”で一時逆転の3点目をもぎ取った。

 「(コリジョンルールがあるから)ブロックはできない。捕手を避けてタッチされないようにスライディングするのはキャンプから練習してきた」と胸を張った。持ち前の快足と、高い走塁技術が生んだ最高のプレーだった。(長井 毅)