◆広島2―9巨人(11日・マツダスタジアム)

 最後まで球威があった。田口は、力勝負で試合を締めた。9回2死一塁、代打バティスタから、今季自己最多127球目の141キロ直球で空振り三振を奪った。「誠司さん(小林)とも、攻めていこうという話をイニング間にしていた。意思疎通が最後までできました」。2失点完投で2年連続の10勝目。巨人の高卒左腕では76〜79年の新浦寿夫以来、38年ぶりの快挙を成し遂げた。

 試合前から完投するつもりだった。チームは前日10日に東京Dで阪神戦。この日、広島に移動したが、田口は前夜のうちに広島入りした。「リリーフの方、先輩方が移動試合だった。何とか自分が頑張って長い回を投げようと思っていた」。4回に鈴木の2ランで先制されるも、直後の5回に6得点で逆転。自ら適時打を打った田口は勢いを加速した。6回は丸に全6球直球で空振り三振。強力打線相手に攻め続けた。8回終了後、114球でベンチに戻り、斎藤投手コーチから「どうする?」と聞かれ「行きます」と即答した。

 6月3日のオリックス戦(東京D)で2敗目を喫して以来、自身9試合連続無敗で6連勝。「暑いのはもともと嫌いじゃない。汗の量がすごいですが、まさしく野球の季節という感じ」と苦手意識はないが、真夏に好投を続けられる要因は徹底した体調管理にある。

 「家にいるときはエアコンをつけないようにしています。窓から風が入ってきますし、なるべく電気に頼らずに生活する。なかなか慣れないですが、これも一つの練習なんだと思ってやっています。食事にも気をつかって、登板前は炭水化物を多めに摂取してエネルギーを作るようにします」

 G球場では室内練習場で投球可能な中、あえて炎天下の屋外のブルペンを使用したこともあった。「暑い中でベストを尽くせるように。菅野さんのようにチームに影響を与えられる投手になりたい。貯金を作れる投手にならないと」とエースの背中を追い、10勝2敗の貯金8。10勝10敗だった昨年と同じ2ケタ勝利でも、内容が劇的に向上した。

 防御率も2・40と安定感抜群。「これからも勝って貯金を増やしたいです」とさらなるレベルアップを誓った。(片岡 優帆)

 ◆記録メモ

 今年の9月に22歳を迎える田口(巨)が10勝目。これで10月に28歳となる菅野12勝、今月23日に29歳の誕生日を迎えるマイコラス10勝に次いで、チーム3人目の10勝以上だ。

 巨人で2ケタ勝利が3人以上は、13年に菅野と内海13勝、杉内11勝で記録して以来だが、この年は内海が31歳、杉内は33歳のシーズン。20代の投手3人が10勝以上は、01年の入来祐作13勝(29歳)、上原浩治10勝(26歳)、メイ10勝(29歳)以来、16年ぶり。