巨人の宮国椋丞(りょうすけ)投手(25)とドラフト3位・大城卓三(たくみ)捕手(25)=NTT西日本=の沖縄出身同学年コンビが、キャンプ休養日の14日に対談した。1年目で謙虚な大城に対し、8年目の宮国は危機感むき出し。エース菅野の教えを胸に、自ら変わる決意を示した。投球フォームを2段モーションにする考えも明かし「卓三とバッテリーを組んで勝てたら」と健闘を誓い合った。(取材・構成=片岡優帆)

 宮国は沖縄・糸満市、大城は那覇市、世界遺産・首里城の近くで育った。

 宮国(以下、宮)「小さい頃はいつも外で遊んでいた。家の近くにクワガタを捕りに行ったりもした。卓三は? 那覇って糸満から見るとすごく都会だった」

 大城(以下、大)「糸満に比べたらそういう場所は少ないかな。都会っ子だから(笑い)。実家の周りは坂道が多い。遊ぶとしたら野球くらいしかなかったな」

 宮国は地元の高嶺中軟式野球部から糸満高。大城は首里中で硬式のクラブチームに入り、神奈川・東海大相模高に進学した。

 宮「初めて卓三の存在を知ったのは高校の時。確か練習試合をやったよね」

 大「試合はしたけど対戦はなかった。椋丞の登板中に打席が回ってこなくて」

 宮「卓三の体格に驚いたよ。当時から今と同じような体。正直、怖かった」

 大「椋丞は球が速いなと思ったのを覚えている」

 宮「2人とも最後の夏は(現ソフトバンク島袋投手を擁する)興南に負けた。糸満が沖縄の決勝、相模が甲子園の決勝。でも激戦区の神奈川で優勝はすごいと思って見ていた。まず、沖縄から神奈川に行くのがすごい」

 宮国は高卒で巨人から2位指名を受け、人生で初上京。一方の大城は東海大、NTT西日本を経て念願のプロ入り。面識がなかった2人の運命が交錯した。

 大「ブルペンで球を捕らせてもらったけど、いい球を投げるなと思った。同い年の存在は刺激になる」

 宮「今年からルールが緩和されて2段モーションにしようと思っている。今のところ感覚がすごく良い」

 大城が東海大1年生の時の4年生が巨人のエース・菅野。宮国はその菅野と今オフ、ハワイで1か月間、合同自主トレを行った。

 宮「精神面、技術面、一緒に生活させてもらって、一社会人として大切なことも教わった。僕の中ですごく変われそうだなという1か月だったし、変わらないといけないと強く思った」

 大「大学の時はあまり話を聞きに行けなかった。菅野さんに配球面だったり、どういう考え方をしているのかいろいろ聞いてみたい」

 宮「菅野さんは『どんどん聞きに来い』と言っていたから聞いた方がいい。僕は後輩にどんどん言え、とも言われた。言うことによって責任が生まれる。後輩は僕の言動、行動を見ているわけだから。それも菅野さんの姿を見て学んだ」

 1軍は15日から那覇で2次キャンプ。2人は2軍で宮崎残留となるが、開幕1軍入りが消えたわけではない。宮国は先発争い、大城は小林という高い壁がそびえる正捕手争いに挑む。

 大「社会人出身で即戦力と見られると思うし、1年目から、という気持ちでアピールしたい。中学からずっと捕手。捕手で勝負したいという気持ちはあるけど、紅白戦では一塁も守らせてもらった。どんな役割でもチームに貢献したい」

 宮「若手の底上げと言われているけど、うちのチームはそれプラス勝たないといけない。僕らの世代が1軍に1年間定着して引っ張って、優勝に貢献できるようにしないと。卓三とバッテリーを組んで勝てたらうれしい。今年はそれくらいの強い気持ちでいこう」

 ◆大城 卓三(おおしろ・たくみ)1993年2月11日、沖縄・那覇市生まれ。25歳。東海大相模高で3年夏に甲子園準V。東海大、NTT西日本を経て昨年ドラフト3位で巨人入団。兄の昌士さん(現西部ガス)、双子の兄・建二さん(現トヨタ自動車)も東海大相模野球部出身。187センチ、89キロ。右投左打。

 ◆宮国 椋丞(みやぐに・りょうすけ)1992年4月17日、沖縄・糸満市生まれ、25歳。糸満高から2010年ドラフト2位で巨人入団。12年に1軍デビューして6勝。13年には20歳で開幕投手を務めた。通算127登板、21勝19敗1セーブ、防御率3.58。185センチ、76キロ。右投右打。

 ◆取材後記

 宮国が変わった。昨年まではおとなしい、声が小さい、控えめというイメージがあったが、大城との対談に臨む姿は正反対。ハキハキ、大きな声で「中堅の自分たちが頑張らないと」などと次々に決意表明。力強い言葉が頼もしかった。

 大きなきっかけは菅野とのハワイ自主トレだったという。「年下の選手に気づいたことをどんどん言っていかないといけないと、菅野さんの言動を見て強く思いました」。言う=責任感が生まれるというエースの考えを吸収。先月、私がハワイで取材した時も、同行した桜井、中川、畠ら後輩を引っ張ろうとしていた。今キャンプでも、大江や高田ら2軍の若手に積極的に声をかける姿が目立つ。

 大城との沖縄トークはほどほどで、対談は野球談議が中心。宮国の8年目の今季にかける気持ち、自覚が前面に出ていた。マウンド上でも新たな一面を見せてくれるだろう。(巨人投手担当・片岡 優帆)