今夏の甲子園で準優勝した金足農(秋田)の152キロ右腕・吉田輝星(3年)が10日、秋田市内の同校で会見を行い、プロ志望を正式表明した。

 この日午前にプロ志望届を提出し「プロの世界に入れるのであれば、どのチームに行っても努力しようと思ってます」と12球団OKの姿勢を示した。25日のドラフト会議で複数球団が1位候補に挙げている最大の目玉がプロ入りを決断したことで、各球団はドラフト戦略の練り直しを迫られることになりそうだ。

 秋田にまで駆けつけた報道陣は、実に44社127人。まばゆいばかりのフラッシュの嵐を浴びながら、輝星がゆっくりと口を開いた。「甲子園が終わってからたくさんの方々と話し合い、本日午前、プロ野球志望届を提出いたしました」。最終的に、福井国体から帰郷した後の今月4日に下した決断の中身を説明した。

 今夏の秋田大会が始まるまでは、北東北大学リーグの八戸学院大に進学するつもりだった。だが、日本中を沸かせた、あの聖地での熱闘の中で確実に心境の変化が生まれていた。輝星は「甲子園という舞台で戦った一戦一戦で少しずつ気持ちが変わっていきました」と明かした。

 それを強固なものにしたのが、高校日本代表として出場したU18アジア選手権(宮崎)だ。春夏連覇を達成した大阪桐蔭の根尾、藤原、柿木ら同世代のトップ選手とプレーし、野球に対する意識の高さなどに直面。大いに刺激を受けた。「周りの選手を見た時に、自分もプロの世界で勝負してみたいという新しい心が芽生えた」と振り返った。

 合宿期間中、進路の話について「特にしてなかったです」としたが、チームメートからは「間違いなくプロだろ」「おまえなら大丈夫だよ」と口々に言われ、自信を深めていた。帰郷後、両親にプロ挑戦の思いを伝えたところ「自分がしっかり強い意志を持ってるなら、尊重する」と言われたという。

 希望球団については「プロの世界に入れるのであれば、チームは関係ない。どのチームに行ってもしっかり努力しようと思ってます」と明言。今夏の甲子園を終えた直後に行われた準優勝報告会後には、報道陣に好きな球団を聞かれ「巨人が好きです」と話し「巨人に行きたい?」との問いに「はい、行きたいです」と答える一幕もあったが、12球団OKの姿勢を改めて示した。

 「U18で初めて日の丸を背負わせてもらったけど、あまりいいピッチングができなかった。次はしっかり勝てるピッチャーになりたいと思ってます」。将来の侍ジャパンのエースを夢見て、今夏の甲子園最大のスターがプロの世界に飛び込んでいく。(片岡 泰彦)

 ◆吉田 輝星(よしだ・こうせい)2001年1月12日、秋田市生まれ。17歳。小3から野球を始め、高校では1年夏にベンチ入り。同秋からエース。今夏は秋田大会から甲子園準決勝まで10試合連続完投勝ち。決勝で大阪桐蔭に敗れたが、準Vは秋田勢103年ぶりで、大会通算62奪三振は歴代6位。高校日本代表に選ばれ、9月のU18アジア選手権ではエース格を務めた。176センチ、81キロ。右投右打。家族は両親、弟。