来年度のJRA新規騎手免許一次試験の合格発表が11日に行われ、香港のトップジョッキーとして活躍した短期免許で来日中のジョアン・モレイラ騎手(35)=ブラジル=は不合格となった。また、新規調教師の一次試験では21人が合格。11月27、28日の二次試験を経て、年内に合格者が決まる。

 言葉に詰まり、涙があふれてきた。「日本の関係者に協力をしていただいたのに、サポートに応えられず申し訳ない」。大井競馬場で夕刻過ぎに行われた囲み取材。最後にそう述べると、モレイラは思わず顔を覆った。

 ショックを隠しきれない不合格の通知だ。「大きなパンチを受けた感じ。人生の中でチャレンジするのが好き。うまくいかなかったのは今回が初めてではない」と語った一方、整理しきれない現状が言葉の節々に感じられた。「リスクはあった。ただ(試験を)パスしなかった場合のプランは立てていない」。緊張の糸がプツリと切れ、将来を描く余裕はなかった。

 今夏にJRA騎手免許の受験を表明。仮に不合格でも来年以降の挑戦を明言していたが、「(来年の受験は)イエスともノーとも言えない。ジョッキーの人生だけでなく、家族ともいい人生を送りたい。一度、リセットして家族と相談してから決めたい」と後ろ向きとも思える回答にとどめた。

 13年にはMデムーロが一次試験で不合格になり、翌年の再受験でリベンジに成功。「次のチャレンジを取ることになる」と語ったモレイラの挑戦は日本か、それとも他国か。香港、シンガポールで圧倒的な知名度を誇り、国内でもピカイチの評価を受けていた雷神。現行システムの是非を含め、関係者やファンの間で議論になり得る“涙の不合格”となった。

 ◆ジョアン・モレイラ(Joao Moreira)1983年9月26日、ブラジル生まれ。35歳。01年に母国でデビュー。その後はアジアに拠点を移し、シンガポールで10年から4年連続、香港では14/15年シーズンから3年連続でリーディングを獲得した。日本馬でのG1制覇は16年香港ヴァーズ(サトノクラウン)、17年ドバイターフ(ヴィブロス)など。